ただ単に多彩な食材・料理手法と舌や胃袋を喜ばせる美味と言った一般的評価だけではなく、欧米、アジア、中南米、中東アフリカには見られない独自の魅力が認められたわけです。四季に応じた豊富な食材と調理技術に応じて、色・形状・大きさを切り替える食器デザインの多彩さ(特に三角形や多角形の陶磁器や竹細工、木材、紙、木の葉、竹の皮など)、盛り付け術、そしてこれも日本発“五番目の味覚”うまみの源・出汁や健康食。そして、年中行事や冠婚葬祭に合わせた料理とカウンターを挟んで料理人が客と対話する習わしなどを称して「心まで豊かにしてくれる食文化」と内外から絶賛される点が特筆されます。
目下TPPの折衝中でもあり、和食も絡めた農業・食材ビジネス拡大チャンスが来たことにも、最大の注目をすべきだと考えます。イタリアの食材輸出が4兆円もあるのに、日本は10分の1の、4千億円しかないそうですから、まずは農業戦略の抜本的改革が問われています。しかも世界の食の総市場は、2020年に680兆円にも膨れ上がると予測されております。