TPP“空中分解”の瀬戸際 関税・知財など難航、米の譲歩が鍵 (2/4ページ)

2014.1.14 06:23

 その後、12カ国は2月中旬の開催で改めて調整に入ったが、依然「閣僚が集まっても、まとめるのは難しい」(交渉関係者)状況が続いている。前段となる首席交渉官会合の日程もまだ固まっていない。

 甘利明TPP担当相は「1月中に日米間の段取りをつけないと全体がまとまらない」と述べ、ダボス会議にあわせて米通商代表部(USTR)のフロマン代表と会談する意向だったが、双方の日程調整がつかず「実現は難しくなった」(交渉関係者)という。

 TPP交渉が昨年12月の閣僚会合で妥結できなかった要因は、日米間の関税協議で溝が埋まらなかったことが大きい。日本はコメなど重要農産品5分野の関税維持を主張したが、米国はあくまでも全貿易品目の関税撤廃を求めた。

 また米国は、マレーシアやベトナムなど新興国との間でも、知的財産の保護ルールや国有企業改革などの分野で対立が続いている。米国の強引な要求に各国が反発する中で、交渉の成否の鍵は、米国が柔軟姿勢に転じるかどうかだ。

早期妥結に強くこだわるオバマ米大統領

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