日銀は20~21日の金融政策決定会合で、平成27年度の消費者物価指数の伸び率(生鮮食品と消費税増税の影響を除く)を現在の1・7%から引き下げる方向で協議する。原油安が主因で1%台半ばへの修正が有力視されている。日銀は「27年度にも2%の物価上昇率」を目標としており、市場関係者からはさらなる追加金融緩和の期待が高まる。
日銀の物価上昇シナリオに悪影響を与えているのは、原油安だ。日銀は追加緩和に踏み切った昨年10月末、26~28年度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表し、物価上昇率は26年度が1・2%、27年度が1・7%と、7月時点より0・1~0・2ポイント引き下げた。
今回の決定会合では、展望リポートから3カ月間の環境変化を踏まえた「中間評価」を公表する。この間、今月9日の原油先物価格は1バレル=48ドル台となり、昨年10月末と比べて4割程度も下がった。総務省発表の昨年11月の消費者物価指数の伸び率は0・7%で、一部のエコノミストは、27年中のマイナス転落を指摘している。日銀の政策委員は、原油安の将来の影響を見極めながら、物価上昇率の下方修正について議論する。
一方、原油安の傾向が続く中、市場では「日銀はさらなる追加緩和に踏み切る」との見方が広がっている。