日経平均株価2万900円台を示す証券会社の株価ボード=24日午前、東京都千代田区(栗橋隆悦撮影)【拡大】
日経平均株価がITバブル期の高値を更新し、一つの節目を迎えた。重しだったギリシャ債務問題への警戒感が和らぎ、日本株は企業の好業績などを背景に今後も先高感が根強い。ただ、先行きには、世界経済の不安要因に揺さぶられる懸念も残る。(森田晶宏)
甘利氏「バブルでない」
「この数日で、相場の流れが一挙に変わり始めている。2万円を起点とした新たな株高のステージに立ったのではないか」
岡三証券の大場敬史シニアストラテジストはこう指摘する。日本株の先高感は根強いとの見方が多い。
平均株価は今年に入って上昇基調を強め、年初からの上昇率は約20%に達した。原動力となるのは企業業績のさらなる改善だ。
SMBC日興証券によると、東証1部の上場企業(金融除く)の平成28年3月期の最終利益予想は合計で23兆2170億円と、2期連続で過去最高益となる見通し。足元の円安ドル高が続けば、企業業績は一段の上振れも期待できる。
甘利明経済再生担当相は24日、記者団に対し「今回の経済はバブルではない。実体経済の回復に裏打ちされた株価だ」と強調した。