経済財政諮問会議後、記者会見する甘利経済再生相=24日午後、東京・永田町【拡大】
政府が24日発表した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の影響試算では、農家の不安を払拭する経営安定化策の効果を最大限反映した。さらに貿易・投資の促進によるさまざまな経済効果を織り込むことで国内総生産(GDP)が押し上げられると強調した。項目別に内容を解説する。
(1)コメ…影響は「ゼロ」
政府は今回の試算で、国民の主食であるコメは生産量、生産額ともに影響を受けないと結論付けた。TPPで日本は、米国とオーストラリアに対し計7万8400トンの新たなコメの無関税輸入枠を設ける。一方で、同量の国産米を政府備蓄米として買い入れる対策により国内の流通量を調整し、米価をほぼ完全に下支えできると見込んだ。
無関税枠の外国産米も市場に出回ることになるが、国内の恒常的なコメ余りで米価は下落しており、輸入米との価格差は少なく、影響はないと分析した。
国家貿易によるミニマムアクセス(最低輸入量)の77万トンと、それ以外に輸入する場合は1キロ当たり341円の関税をかける仕組みは維持する。このため「国家貿易以外の輸入増大は見込み難い」と説明した。
ただ、これら政府の対策は守りに偏る。輸出拡大など攻めの戦略が課題だ。
(2)牛・豚肉…影響は「最大」。赤字補填で対応