経済財政諮問会議後、記者会見する甘利経済再生相=24日午後、東京・永田町【拡大】
安価な外国産食肉の流入により価格下落が懸念される牛・豚肉は、生産額が牛肉で最大625億円、豚肉で同332億円減少すると見込む。今回試算した農林水産物33品目で、最も大きな影響が示された。
試算では機械化によるコスト削減や品質改善に伴う収益力の向上を織り込み、生産量は維持するとした。ただ、牛肉は乳用牛を中心に米国・オーストラリア産と競合する。豚肉も競争力が高い銘柄豚以外は外国産との競争が激化する見通しで、国産価格は下落する。
このため生産現場では不安が広がる。政府は牛・豚肉の畜産農家に対する交付金制度を拡充し、赤字の補填割合を現在の8割から9割に引き上げ、法制化して恒久的な制度にする。また養豚事業では、赤字補填の原資として国と生産者が折半で負担している積立金を、国が4分の3を拠出する形に見直す。
(3)果物…外国産との差別化見込み、影響「限定的」
果物類はほとんどの品目で関税が段階的、または直ちに撤廃される。ただ今回の試算では、国内外の価格差が大きいミカンなどのかんきつ類で国内生産額の減少は最大42億円、リンゴは同6億円にとどまる。国産果実は高品質で競争力が高く影響は限定的と判断した。
外国産オレンジの価格は温州ミカンの約半分、外国産リンゴは国産の7割強と割安だ。外国産との競合が激しくなれば、国内価格にも影響が出そうだ。しかし、農林水産省は生産性や品質の向上で農家の経営体質を強化すれば、国内の生産量は維持できると分析している。