【TPP政策大綱】専門家の評価は? キヤノングローバル戦略研・山下氏「達成の道筋見えず」 大和総研・熊谷氏「岩盤規制踏み込みを」 (1/2ページ)

2015.11.25 23:29

キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁・研究主幹(寺河内美奈撮影)

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 政府が25日に決定した「総合的なTPP関連政策大綱」について、専門家2人に評価を聞いた。

キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹

 TPPを活用して成長戦略を推進し、日本経済を成長させるという全体的な方向は評価できる。ただ、盛り込まれた数値目標は裏付けがなく、達成の具体的な道筋はみえない。例えば、農林水産物・食品の輸出額1兆円達成の前倒しには、輸出競争力をつけることが不可欠だ。だが、海外でも高い評価を受けている主食用米は、せっかく円安で内外価格差が解消したのに、生産調整(減反)を強化して価格を上げるなど、目標と足元の政策に齟齬があるものもみられる。

 TPPが大筋合意し、大綱も策定したのだから、今後はこれをいかに利用して産業界が対応するかが重要となる。同時に協定が発効されたら、途上国などで、いかに末端までその中身を理解させ、浸透させるかも大事だ。いい制度も適切に運用されなければ意味がない。履行体制がしっかりしていなければ、大企業ならまだしも中小企業が海外に進出し、進出先でトラブルになった際などの対処は難しい。各国がTPPの運用に慣れれば、将来、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)やアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の運用を円滑に行うことにもつながるだろう。(談)

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