財務省が8日発表した平成27年の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は16兆6413億円の黒字で、前年よりも約14兆円拡大した。原油安で貿易赤字が縮小し、海外投資から得られる利子や配当を示す第1次所得収支が黒字幅を拡大したため、平成22年以来の高水準となった。担当者は、「東日本大震災前の水準に近いところまで回復してきた」と話した。
加えて、旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」は1兆1217億円の黒字。暦年での黒字は昭和37年以来53年ぶりで訪日客の増加と「爆買い」にみられる活発な消費が貢献した。
輸出から輸入を差し引いた貿易収支は6434億円の赤字だった。赤字は5年連続だが、前年(10兆4016億円の赤字)から赤字幅を大きく縮めた。原油価格の下落で輸入が前年比10・3%減と6年ぶりに減少に転じたことに加え、輸出が1・5%増と3年連続で増えたことも寄与した。
第1次所得収支は20兆7767億円の黒字だった。前年に比べ黒字幅を2兆6563億円拡大し、昭和60年以降で過去最大の黒字となった。証券投資収益が増えたことなどが影響した。
貨物輸送や旅行などによるサービス収支は、1兆5628億円の赤字だった。赤字幅は前年から1兆5173億円縮小。旅行収支が黒字になったことで、平成8年以降過去最少の赤字となった。
また、同日発表した平成27年12月の経常収支は9607億円の黒字。黒字は18カ月連続で、原油安による輸入減や、旅行収支が8年以降、12月として過去最大だったことが奏功した。