【政策を問う】世代間公平へ消費税10%の次の議論を 慶応大教授・土居丈朗氏 (2/2ページ)

2016.7.7 23:02

慶應義塾大学経済学部・土居丈朗教授(春名中撮影)
慶應義塾大学経済学部・土居丈朗教授(春名中撮影)【拡大】

 37年までに医療や介護の財源を確保する態勢が整わなければ「入院が必要な患者が入院できない」「介護が必要な人に介護職員を手当てできない」といった悲惨な事態が顕在化するだろう。

 もちろん、給付の効率化は必要だ。ここ数年で医療や介護のデータが取れるようになり、「見える化」してきた。レセプト(診療報酬明細書)データを分析して、過剰投薬になっていないかチェックしたり、重度化の予防に役立っていない介護サービスを改めたりすれば、患者や利用者に迷惑をかけず歳出削減できる。

 これは骨太の方針(経済財政運営の基本方針)にも書かれており、安倍晋三政権は37年に向け、いいスタートを切っていた。(消費税増税の再延期で)コースからそれる懸念が出ているが、姿勢を戻してゴールを目指す必要がある。(田村龍彦)

 第2次安倍晋三政権が発足した平成24年度以降、税収は増加傾向にあるものの、28年度一般会計予算でも歳入の3分の1程度は借金にあたる国債で賄われた。少子高齢化で年金や医療など社会保障費の増加が止まらない。一方、国債残高は28年度末見込みで約838兆円。低金利とはいえ、元利払いにあてる費用は年20兆円を超えている。

 政府は消費税増税を再延期した。借金に頼らず政策経費を賄えるかを示す基礎的財政収支を32年度に黒字化する目標は堅持したが、持続可能な社会保障制度の構築が欠かせない。

【プロフィル】どい・たけろう

 東大大学院経済学研究科博士課程修了。平成21年4月から現職。専門分野は財政学、公共経済学。政府の1億総活躍国民会議議員、財政制度等審議会委員、社会保障制度改革推進会議委員も務める。45歳。奈良市出身。=おわり

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