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リストラで人員削減…部下に負担を納得させる自信もない 「初めてリーダー」悩み相談室【第1回】

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

リストラで人員削減…部下に負担を納得させる自信もない 「初めてリーダー」悩み相談室【第1回】

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年功序列という考え方が古いものとなり、年齢に関係なく責任ある仕事ができる企業が増えつつある。それはそれで喜ばしい一方、雇用形態の多様化や外国人採用の活性化、年次を問わない組織編成により、若くしてリーダーを任されることの難しさに直面している人も多いだろう。そんな30歳前後の「初めて課長」の悩みを、人材マネジメントのプロがすっきり解決!

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(株)フェイスホールディングス 代表取締役社長/小倉 広氏

就職情報会社の企画室、編集部、組織人事コンサルティング室課長などを経験後、2003年フェイスホールディングス代表取締役就任。リーダーシップ開発と理念浸透に特化したコンサルティング並びに教育研修を提供。顧客企業の組織づくり、人材育成を支援している。著書に「上司は部下より先にパンツを脱げ」(徳間書店)「33歳からのリーダーのルール」(明日香出版)など。最新刊は「課長のスキル どんな会社でも通用する70の技」(徳間書店)。新聞、雑誌への寄稿や講演多数。

(株)クライス&カンパニー 代表取締役社長/丸山貴宏氏

大手就職情報会社の人事を7年間担当した後、1993年にクライス&カンパニーを設立。これまでに1万人以上と面接した経験を持ち、その実績に基づいたカウンセリングで数多くのベストマッチングを生み出してきた。「転職のベストタイミングは自分の中にある」をモットーに、相談者の根っこにあるエネルギーを発掘することに日々全力投球する。著書に「キャリア・コンサルティング」(翔泳社)など。

リーダー経験をつけた後は…?転職でキャリアアップの道もあり!

【戦略立案に関する悩み】Q.会社の方針に納得ができません

初めてチームリーダーになりました。しかし、会社の方針に納得できず、それをうまく部下に伝えることができません。会社が掲げる方針は目先の数字だけを追っていて、顧客の方を向いているようには思えませんし、リストラで部内の人数も減り、部下たちに負担がかかることは目に見えています。彼らを納得させるような戦略に落とし込める自信もなければ、仮にできたとしても、やり抜くことができるか心配です。プレーイングマネージャーになって、自分で方法を模索した方がいいのかと思ったりしますが…。(営業企画)

【小倉氏の回答】 自分で変えられないなら、無理を承知で従うのみ

多くの場合、リーダーシップに優れた人物がリーダーになるのではなく、トッププレイヤーがリーダーになります。両者に求められるものは全く違いますから、うまくいかずに悩むのも当然ですね。しかし、会社の方針に納得がいかないからといって、上司や経営のせいにすることはやめましょう。結論から言うと、「気に入らなければ自ら変えろ。さもなくば従え」ということ。つまり、今の上司を追い抜いてあなた自身が上司になり、方針を変えられるような立場になればいいのです。それが無理なら、何も言わずに会社の方針に従う以外にありません。そのためには、まずは上司に信頼されるようになることですね。目の前の仕事を必死にやるのです。たとえ方針に納得がいかずとも、無理を承知で必死に取り組むこと。そうすれば必ず協力者が現れるものですし、失敗したとしても、全力で取り組んだことを周りが知っていれば、失敗はとがめられません。上司からも、そして無茶ぶりを受けた部下からも、信頼を勝ち取ることができるはずでしょう。つまり、この場合は、上司を何とかしようと思うのではなく、自分を変えることが大事なのです。

リーダー経験をつけた後は…?転職でキャリアアップの道もあり!

【丸山氏の回答】 四の五の言わずやる。「どうやったらできるか」で悩め

リーダーを経験する人の誰もが直面する問題ですね。キャリアを伸ばすために必ず受ける「洗礼」のようなものです。もう「四の五の言わずにやる」しかありません。そのために、会社が掲げる方針・目標に対して、リーダーが心の底から納得すること。そして、リーダー自身の言葉で部下たちに語れるようになることです。そうしないと現場は破たんします。

あなたがまずできることは、上司ときちんと話をして、掲げられた方針・目標を納得することでしょう。もしかしたら、「売り上げが下がる中で全員の給与水準を維持するためには、これだけ達成しないといけない」など、その目標数字に対して意味があるかもしれません。少なくとも事業の背景を知ることは、あなたに経営者的な視点をもたらすはずです。また、無理難題を小人数で実現させようとすれば、従来のやり方からガラッと変える必要があります。今までにない発想が必要ですし、部下への指示の出し方も工夫しなくてはいけませんから、戦略を立てて実行する力は確実に身に付くでしょう。つまり、「できる・できない」の次元で悩んではいけません。「どうやったらできるのか」で悩むべきなんです。

(リクナビNEXT/2010年07月07日)

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