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やる気を引き出す「褒めるバッジ」 遊び感覚満載の人事評価制度

ニュースカテゴリ:暮らしの仕事・キャリア

やる気を引き出す「褒めるバッジ」 遊び感覚満載の人事評価制度

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シンクスマイルの人事評価制度「CIMOS(シーモス)」。パソコン上に宝箱が現れ、同僚からバッジが贈られたことを知らせる=大阪市中央区  同僚のいいところを見つけ、その人にバッジをあげる-。自社サイト上でこんなゲーム感覚の評価制度を設けるのが、飲食店などのお試し予約サイトを運営するシンクスマイル(大阪市中央区)。褒めることを“見える化”しているため、社内のコミュニケーションが活発化している。また、バッジの種類は褒める内容ごとに異なるため、どの種類を何個集めたかによって、長所や短所を把握することができる。遊びのようでも、この手法、あなどってはいけない。

 贈ってももらってもうれしい

 バッジは同社の10の行動指針に沿って生まれた「バリューバッジ」10種類と、その後にあったらもっと面白いという視点から生まれた「スペシャルバッジ」10種類の計20種類。1カ月につき他人に贈れるのは、一般社員が20個、経営陣は40個までだ。

 フェイスブックを介して、顧客である取引先が同社の営業担当者などにバッジを贈ることもできる。バッジを贈ると、相手のスマートフォン(高機能携帯電話)やパソコン上に宝箱やルーレットが表れ、バッジが出現。「今日の××さん、素敵でした!」などコメントも添えられるので、もらった側のうれしさは倍増だ。

 遊び感覚満載だが、同社の立派な人事評価制度でもある。同じ種類のバッジ10個で、メダル1個がもらえる。半年に1回、どの種類のメダルを何個持っているのかを確認し、昇給や昇格につなげる。

 例えば、企画開発系のチーム長になるには、その年に業務改善の「カイゼンメダル」と「アイデアメダル」を各1個と、バッジ450個以上の所持が最低条件だ。目標とする昇進までの道筋が立てやすく、社員は自らがどの分野のバッジを目指して業務に取り組めばいいのかを理解しやすい。

 バッジの個数で評価の数値化ができるので、誰が見てもわかりやすい。また、通常上司や人事部が判断する評価を周囲の全同僚が行うため、高い公平さが保たれるという。

 一目で分かる得意・不得意

 同制度は「CIMOS(シーモス)」という名称で4社に外販するほどシステムが充実。同社の10の行動指針をベースにした10種類「バリューバッジ」については、どの種類をいくつ獲得したかをレーダーチャート(クモの巣状のグラフ)で表すことで、その人の長所や短所が把握できる。「絆」バッジや「熱血」バッジが多い一方、「アイデア」バッジが少なければ、チームワークがあって周囲を巻き込む熱さはあるが、独創性が乏しい-といった具合。

 一定期間に獲得したバッジの数や種類の変遷も確認できるので、その社員がその期間中にどういう能力をアップしたのかも、ひと目で分かる。

 メダルと業績が正比例

 新子明希社長によると、平成23年春、同社の社員数が100人になるのを前に、行動指針を決めようと思ったのが同制度が生まれたきっかけだ。ホテルに同僚と1週間缶詰めになって考え出した。褒め合うことで社員が動きたくなり、かつゲームのように楽しめる制度をつくりたい-。同制度誕生の根底にはこんな想いがあった。

 バッジの個数が売り上げと正比例の関係にあることも、評価制度として「シーモス」の確かさを証明している。実際、たくさんのバッジを獲得した社員が多く在籍する部署ほど、高い売り上げを記録。なぜなら積極的に同制度を活用し「理解、称賛、感謝が飛び交うところほど成績が良い」(新子社長)という。

 また、契約を取ったという『結果』ではなく、1日に自分の仕事が1%改善できた『行動』でもバッジが得られることも特筆もの。新子社長は「結果を出すのはもちろんだが、リーダーやマネージャーとしてふさわしい行動をしているかを、バッジによってみている」と話す。

 途中経過までしっかり評価できるバッジは、的確な人事評価の風潮とともに、社員のやる気を育てている。(中山玲子)

◇会社データ

本社=大阪市中央区南船場3ー6ー10 エミネント心斎橋ビル8階

設立=平成19年6月6日

資本金=1千万円

事業内容=お試しサイト運営など

売上高=8億円(平成25年4月期)

従業員数=106人(アルバイト含む、平成25年12月時点)

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