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G20 米露軸に緊張緩和模索 ウクライナ、経済再生へ道険し

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G20 米露軸に緊張緩和模索 ウクライナ、経済再生へ道険し

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 日米欧にロシアなど新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がワシントンで4月10日夕(日本時間11日朝)に開幕する。先進7カ国(G7)は、これに先立ち財務相会合を開いてウクライナ情勢や世界経済への影響を協議。米露を軸に経済外交を活発化させ、ウクライナをめぐる緊張状態の緩和を模索する。

 今回のG20は、ロシアがウクライナ南部のクリミア半島を編入後、日米欧露が一堂に会する初の国際会議となる。米国とロシアは会合前に財務相会談も行い、事態打開への道筋を直接話し合う見通しだ。

 G20では、ウクライナ情勢の悪化がロシア経済の減速やロシアと欧州間の貿易停滞を引き起こすリスクについて意見交換する。ウクライナへの財政支援も協議し、ロシアも含めた協調関係を構築して世界経済の安定につなげたい考えだ。会合は2日間で、11日に声明を採択する。

 財政状況が厳しいウクライナに対しては、国際通貨基金(IMF)を中心に支援枠組みの調整が進み、日米欧がそれぞれ資金拠出を表明している。ウクライナの現政権と対立するロシアや、中国、インドといった新興国が協力姿勢を示すかどうかが焦点となる。

 米国の量的金融緩和の縮小が、新興国経済に与える影響についても協議する。

 日本からは麻生太郎財務相(73)と日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁(69)が出席し、財政再建を図るため17年ぶりに消費税率を引き上げたことを説明する。増税後の景気腰折れに備えた経済対策や成長戦略の実施で、デフレ脱却を目指す姿勢も強調する。

 ≪ウクライナ 経済再生へ道険し≫

 ワシントンで4月10日に開幕するG20財務相・中央銀行総裁会議では、ロシアとの関係悪化で財政危機に直面しているウクライナへの国際支援が主要議題となる。IMFを軸とした巨額融資が実行に移されれば、財政破綻は回避できる見込みだが、ウクライナは国民に痛みを強いる構造改革を迫られる。経済再生への道は険しい。

 2.7兆円支援

 IMFが各国と調整する金融支援は、今後2年間で総額270億ドル(約2兆7000億円)に上る。ウクライナ政府が求める350億ドルには届かないが、資金繰りに行き詰まって国債の払い戻しができないデフォルト(債務不履行)に陥る最悪の事態は避けられそうだ。

 欧州連合(EU)が110億ユーロ、米国が10億ドル、日本が最大1500億円の支援を表明。IMFとしては140億~180億ドルの融資枠を設けて総額を確保する方針だ。

 ウクライナが親欧米の政権に移行したため、ロシアが前政権に約束していた150億ドルの支援を凍結し、財政窮迫を招いた。デフォルトが現実となれば、世界の金融市場が大混乱に陥る恐れが指摘されていた。

 国民に負担

 IMFは支援と引き換えに金融や財政、エネルギー分野の改革をウクライナに求めており、ガス料金引き上げなどの厳しい構造改革が課題となる。財政赤字は2016年までに国内総生産(GDP)比で2.5%程度まで圧縮する方針だ。

 ウクライナはIMFの支援を受けながら、条件に応じず支援を凍結された苦い経験がある。今回の枠組みも国民に大きな負担を強いるため、実現には曲折も予想される。(共同/SANKEI EXPRESS

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