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OECD閣僚理事会 安倍首相が基調講演 「価値共有、公正な経済圏」提唱

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OECD閣僚理事会 安倍首相が基調講演 「価値共有、公正な経済圏」提唱

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経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会で基調講演を行う安倍晋三(しんぞう)首相=2014年5月6日、フランス・首都パリ(共同)  安倍晋三首相(59)は5月6日、経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会で基調講演を行った。中国などを念頭に非加盟国や新興国に、公正な競争ルールを広げる必要性を強調。欧州連合(EU)などと多角的に経済連携協定(EPA)交渉を加速させる決意を表明した。閣僚理事会では、少子高齢化が進む中、世界経済の成長を持続するために女性や若者、高齢者の雇用を促進することや、能力開発を通じて格差拡大を防ぐ必要性が議論され、OECDに加盟して50周年となる日本が36年ぶりに議長国を務めた。

 中国を牽制

 安倍首相は基調講演で、2020年までに社会の指導的地位の3割を女性が占めるとの目標を日本が設けたと説明。仕事と生活のバランスに考慮して労働制度を見直し「女性が輝く社会をつくり上げる」と表明した。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉について「最終局面にある」と説明。日本とEUのEPAについて「一日も早く成立させるべきだ」と訴え、「基本的な価値を共有する国々と、公正なルールの下で競争が確保される大きな経済圏をつくり上げる」と新たな経済秩序の構築に意欲を示した。同時に、台頭する中国など新興国を念頭に置きながら、「その経済圏に参加を望む国も増えるだろう。ただし、新たな経済秩序に賛同してもらわねばならない」と指摘した。

 また、自身の経済政策アベノミクスについては「日本は今まさに、デフレから脱却しようとしている」と成果をアピール。製造業に加え、介護などサービス分野でのロボット技術活用を主張し、6月に改定する成長戦略に盛り込む考えを示した。

 4月の消費税増税に触れ「経済再生、財政再建、社会保障改革を同時に達成する」と明言。「私は改革を恐れない」と繰り返し、電力システム改革や、保険診療と保険外診療を併用する混合診療の拡大、法人税改革を実行する姿勢を打ち出した。

 復興アピール

 閣僚理事会では世界経済の見通しも示され、2014年の日本の実質経済成長率は1.2%と13年11月の前回予想(1.5%)から下方修正された。甘利明経済再生担当相(64)は成長戦略を説明し、「歳出を減らすだけでなく、歳入を増やすことにも取り組んでいる」と強調した。

 多国籍企業などが各国の税制の違いを利用して税金の支払いを逃れている問題への対策も議論。日本主催の夕食会では、各国の閣僚らに東北地方の日本酒を振る舞い、東日本大震災からの復興が進んでいることをアピールする。(共同/SANKEI EXPRESS

 ≪日本の14年成長率見通し 1.2%に下方修正≫

 OECDは5月6日発表した世界経済見通しで、2014年の日本の実質経済成長率を1.2%と予想した。1.5%としていた昨年(2013年)11月の前回予想から下方修正した。15年の予想は前回予想(1.0%)から1.2%に上方修正した。

 日本経済については、円安にもかかわらず輸出が減速し、13年後半に景気回復が緩やかになったと分析する一方、失業率の低下などが消費税率引き上げの影響を部分的に相殺するとの見方を示した。消費税増税の影響を除く消費者物価上昇率は15年に1%程度と見込んだ。

 日本が財政健全化に向け15年に消費税率を予定通り10%に引き上げることや、2%の物価上昇目標が持続的に実現されるまで日銀が大規模な金融緩和策を続けることも提言した。

 米国の実質経済成長率は14年2.6%、15年3.5%、ユーロ圏は14年1.2%、15年1.7%、中国は14年7.4%、15年7.3%とそれぞれ予想した。

 世界経済の下振れ要因として、中国経済の減速や新興国の金融の弱さ、ウクライナ問題などを挙げた。(SANKEI EXPRESS

 【OECDの実質経済成長率見通し】

     2014年 2015年

日  本  1.2%  1.2%

米  国  2.6%  3.5%

ユーロ圏  1.2%  1.7%

中  国  7.4%  7.3%

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