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【栃木小1女児殺害】「騒がれ刺した」 短絡と周到さ同居

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【栃木小1女児殺害】「騒がれ刺した」 短絡と周到さ同居

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吉田有希(ゆき)ちゃん連れ去りの現場となった学校近くの三差路。容疑者逮捕から一夜明け、自転車で通る地元中学生の姿が見られた=2014年6月4日午後、栃木県日光市(大橋純人撮影)  ≪栃木・今市の女児殺害 「偶然見つけ連れ去った」≫

 2005年に栃木県今市市(現日光市)の小学1年、吉田有希(ゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された勝又拓哉(たくや)容疑者(32)が「今市市内を車で走っていて偶然、有希ちゃんを見つけ連れ去った。襲おうとしたら騒がれたので殺した」との趣旨の供述をしていることが6月4日、捜査関係者への取材で分かった。栃木、茨城両県警の合同捜査本部はわいせつ目的で連れ去り、突発的に殺害したとみて裏付けを進めている。

 捜査関係者によると、勝又容疑者は有希ちゃんを連れ去り、当時住んでいた栃木県鹿沼市の自宅に寄った後、約60キロ離れた茨城県常陸大宮市の遺棄現場に向かったとみられる。「騒がれたので、遺棄現場とは別の山の中に連れて行き刃物で刺した。ランドセルや衣類、凶器の刃物はごみ収集に出した」と供述しているという。

 勝又容疑者は連れ去り現場から遺棄現場までの走行経路についても供述。事件当日にこの経路を走行する白いセダンタイプの車が栃木県内の防犯カメラに写っており、この車が勝又容疑者が当時所有していた車だったことが最近になって特定された。この車は事件後に廃棄処分されており、合同捜査本部は、勝又容疑者が有希ちゃんの毛髪や血液などの遺留物が発見されるのを恐れて証拠隠滅を図ったとみている。

 勝又容疑者は殺害と死体遺棄を認めているが、死体遺棄罪は公訴時効(3年)が成立している。

 ≪「騒がれ刺した」 短絡と周到さ同居≫

 幼い命はなぜ奪われなければならなかったのか。偶然見かけた(吉田)有希(ゆき)ちゃんを連れ去り殺害するという短絡的な犯行が浮き彫りになる一方、証拠隠滅を図るなど周到さも垣間見える。あの日何があったのか。逮捕された勝又容疑者の供述や関係者の証言から事件の経過を追った。

 土地勘あった

 2005年12月1日午後2時ごろ友達3人と下校した有希ちゃんは、その50分後に自宅近くの三差路で友達と別れたのを最後に行方が分からなくなった。

 有希ちゃんは事件2週間前、自宅近くの駅周辺で男と待ち合わせしていた。この時「目のきれいなお兄ちゃんと約束している」と周囲に話していた。だが勝又容疑者は「有希ちゃんと面識はなかった」と話しており、供述通りならこの男が勝又容疑者の可能性は低く、場当たり的な犯行だった可能性が高い。

 事件当時、勝又容疑者は三差路から数キロ離れた鹿沼市のアパートで1人暮らしをしていた。連れ去り現場へは車で向かったとみられる。有希ちゃんと同じ小学校を卒業しており、現場付近の土地勘はあった。

 幼児性愛が強く、自宅のパソコンには「おびただしい数」(捜査幹部)の児童ポルノ画像が保存されていた。「女の子を物色していたら、(有希ちゃんを)偶然見かけた。車に乗せて連れ去り、自宅に連れ帰った」などと説明している。

 違法ナイフも収集しており、ナイフマニアの側面も持つが、「偽ブランド品と一緒に骨董(こっとう)市で売ろうとしたが、売れなかった」という。

 移動経路詳細に

 有希ちゃんが勝又容疑者の自宅にどれだけの時間いたかは分かっていない。連れ去り現場から約60キロ離れた茨城県常陸大宮市の遺棄現場の山林に向かったのは、「夜中だった」と話しており、1日深夜から2日未明ごろに着き、遺体を遺棄したとみられる。

 遅くまで連れ去られることに有希ちゃんは恐怖を感じていたようだ。「騒がれたので、遺棄現場に向かう途中の山林で刺して殺した」。遺体発見現場には血だまりはなく、当初から殺害場所は別とみられていたが、特定には至っていない。

 勝又容疑者は遺棄現場への移動経路についても詳細に話しているという。

 栃木、茨城両県警の合同捜査本部は遺棄現場への道のりの防犯カメラを解析。画像解析技術が進み最近になって、事件当日に遺棄現場方面へ向かっている白いセダンの車が、勝又容疑者のものだと判明し、逮捕に踏み切った。

 「画像解析の技術はここ数年で急速に向上した。8年半前の画像でも、今の技術を使えば鮮明に見えるようになるものもある」。防犯カメラに詳しい「パナソニックシステムネットワークス」の寺内宏之氏は指摘する。こうした技術の進歩も逮捕に貢献した。

 遺留品「ごみ収集に」

 場当たり的な犯行と対照的に犯行後には周到な証拠隠滅が図られ、警察を避ける行動も浮かんだ。

 勝又容疑者の義理の父親だった男性(63)は、事件数年後に勝又容疑者の車にランドセルが複数置いてあったことを覚えている。このなかに有希ちゃんのランドセルが含まれていた可能性もある。

 だが、有希ちゃんの遺留品の衣服やランドセル、凶器の刃物などは「ごみ収集に出した」などと説明、回収は困難だ。犯行時に使用したとみられる白い車もすでに廃車しスクラップ処分となっている。(SANKEI EXPRESS

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