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クラシックベースの独自フレンチ メシャンルー
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トゥーレーヌ産の小鳩は、なめらかな肉質で力強い味わい。豊かな香りが広がる。「鳩の肉は脂肪分が少なく鉄分が豊富なんです」(長野浩丈さん)=2014年6月13日、京都市中京区(恵守乾撮影)
京都御苑の南、丸太町から御池にかけての通りには画廊や骨董品店などが軒を連ね、“寺町美術通り”とも“骨董通り”とも呼ばれている。通りに面したフレンチレストランの「メシャンルー」は、紫色の外観がひときわ目を引く存在だ。アミューズ(前菜の前に出される小さな料理)からデザートに至るまでの一品一品が、想像以上の感動と満足を与えてくれた。
店内は右側の白い壁を背に黒いソファ席がすっきりと配置されている。装飾を抑えたシンプルな“大人の空間”は、ゆったりと食事を楽しむのに最適。料理はコースのみだ。
最初の一品は、サンマルスラン(チーズの種類)が中に入った一口サイズの小さなブリオッシュ(パンの一種)。サクッと口に入れるとチーズがとろ~りと滑らかに解け、豊かな風味が広がる。「シュー生地で作ったグジェールをモチーフにし、もっと小さく濃厚に考えた料理です」とシェフの長野浩丈さん(34)。
続いてゴールドラッシュ(トウモロコシ)の冷製スープ。「うっわ~」と思わず感嘆。すっきりとした甘みが直球で攻めてくる。知っているコーンスープとはひと味もふた味も違う。聞けばブイヨンや生クリームは使っていないとか。トウモロコシの芯のシャーベットが添えられていて、そのシャリシャリ感も楽しい。
「芯の部分の独特の香りを生かしています」と長野さん。スープの下にある甘長とうがらしのピューレや別添えの焼きトウモロコシもアクセントに。
前菜や魚料理に続いて肉料理は、トゥーレーヌ産の小鳩。なめらかで緻密な肉質、想像していたようなクセはない。デザートまで驚きの連続だった。
「メシャンルー」は4年前、長野さんと、支配人でソムリエの打田誠直さん(34)の2人で始めた。「老舗店がひしめく京都で若造2人に何ができるのか、不安はありました」と打田さんが話す。「どうしたらお客さまに喜んでもらえるか、いかに自分たちらしさを出せるかを考えました」
メニューには「鮑(あわび)とグリーンアスパラガス」や「ゴールドラッシュと甘長とうがらし」と食材のみが記されている。「どんな料理が出てくるかと想像するのも楽しいのでは、と」(長野さん)。古都にあえてモダンな店構え。クラシックをベースに新しい試みや工夫を凝らした料理。口コミで評判は瞬く間に広まった。
「フランスからいらっしゃったお客さまに『この店は二つ星だよ』と言われたときはうれしかったですね」と打田さん。料理は長野さん、マネジメントは打田さんと、役割を分担。「お互いに信頼し合っていますから、ぶつかることもありません」。2人の笑顔はこの上なくさわやかだ。(文:杉山みどり/撮影:恵守乾(えもり・かん)/SANKEI EXPRESS)