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【夜感都市】TOKYO NIGHT(27) アジア屈指の歓楽街 観光の顔も

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【夜感都市】TOKYO NIGHT(27) アジア屈指の歓楽街 観光の顔も

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中国語がとびかう路地裏。ネオン輝く表通りと比べると異質な空気がただよう=2014年4月17日、東京都新宿区歌舞伎町(奈須稔撮影)  薄暮の空はやがて濃紺に変わり、ネオンの明かりが空を流れる雲を照らし出した。アジア屈指の歓楽街「歌舞伎町」がようやく動き出す。

 靖国通り、JR線、職安通り、明治通りに囲まれる歌舞伎町。約600メートル四方の地域に飲食店やホテルなどがひしめく。最近は東京の観光コースにも組み込まれ、中国やタイなどアジアからの観光客がバスで乗り付けてはカメラを構える。かつてにぎわった「新宿コマ劇場」の跡地には、高さ約130メートルのタワーが新しいランドマークとしてその威容を現し、時の移ろいを感じさせる。

 2002年、防犯カメラが歌舞伎町全域に設置され、凶悪犯罪は減少した。また昨年(2013)9月、「客引き行為禁止条例」が施行され、ずいぶんと歩きやすい街になったというのだが…。

 この連載「夜感都市」で歌舞伎町を取り上げるのは2回目だ。最初は4年前。視覚的に映るさまも、感覚的な肌触りもたぶん変わっているのだろう。現在の街の息吹を切り取った。

 ≪都市のなかの巨大な発光体≫

 靖国通りを渡って歌舞伎町に入る。人の波は徐々に、そして確実にあふれていった。居酒屋、カラオケ、キャバクラ…すぐに客引きから声をかけられる。以前は見かけなかった西アフリカ系の外国人の客引きも目立つ。彼らが口にするのは風俗店、そして売春組織。「オニイサン、アソンデイッテ!」。もうお兄さんという年でもないのだが、合法、非合法取り混ぜて歌舞伎町はそこにあった。

 深夜、客引きもいない細く入り組んだ路地を歩いた。雑居ビルの谷間にどこからか聞こえてくる中国語が響く。日本語は聞こえない。以前よりも歩きやすい街になったとはいえ、やはり緊張する。通りから漏れる原色のネオンを頼りに路地を出た。

 馳星周(はせ・せいしゅう)の小説「不夜城」(1996年、角川書店)では、歌舞伎町の裏社会を牛耳る中国人同士の闇の戦いが鋭く活写されていた。北京や上海のマフィア、香港や台湾のグループ…。主人公が、だましだまされながら歌舞伎町を生き抜く。通りを歩くだけでは知り得ない裏の顔が生々しかった。

 そういえば夜の歌舞伎町を上空からみたことがある。ネオンの光で東京のなかでも圧倒的な明るさだった。「眠らない街」は、都市のなかの巨大な発光体のようにも映った。(写真・文:写真報道局 奈須稔/SANKEI EXPRESS

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