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ドイツの黒ブドウと和食の相性 青木冨美子

 和食が無形文化遺産に登録されて以来、海外のワイン関係者は積極的なアプローチをしています。先日はドイツワイン基金(本部ドイツ)がワイン誌ヴィノテークに協力を仰ぎ、『ドイツワインと和食』をテーマにした会食を行いました。登場したワインはドイツ原産の白ブドウ品種リースリング(白)が4種、黒ブドウ品種シュペートブルグンダー(赤)が1種。

 黒ブドウは仏ブルゴーニュ地方でピノ・ノワールと呼ばれている高貴品種です。20年ほど前のドイツの赤ワインは淡い色調で精彩に欠けるものが多かったのですが、近年、エレガントで時にはパワーすら感じさせるワインが増えてきました。

 ワイン産地の北限ドイツ! 生産者たちは、その原因が地球温暖化であるとは断言していませんが、気候変動の影響は感じています。明らかに収穫時期は早まっています。日照度が多いとアルコール度数の高いしっかりしたワインができますし、昼夜の温度差があることで果皮に色素が蓄積され、ワインの色調は濃くなります。

 料理は和食とワインの相性に詳しい『銀座大野』の大野料理長が担当しました。唯一の赤ワイン、レープホルツの『シュペートブルグンダー S トラディション シュペートレーゼ トロッケ2010』に合わせて出されたのがウナギの釜炊きご飯=写真。ピノ・ノワールはウナギのかば焼きと相性が良いのです。ただし、“山椒”は使わず、ウナギとワイン双方のうまみを素直に感じるのがおすすめ。ドイツの赤ワインの激変もお見逃しなく!(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS

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