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円安加速 6年ぶり108円台後半 東証好感 1万6000円回復

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円安加速 6年ぶり108円台後半 東証好感 1万6000円回復

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円相場が1ドル=108円台後半と6年ぶりの円安水準となる一方、日経平均株価が1万6000円台と約8カ月ぶりの高値になったことを示すモニター=2014年9月18日、東京都港区(川口良介撮影)  18日の外国為替市場の円相場は1ドル=108円台後半をつけ、約6年ぶりの円安水準となった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が現行の金融緩和からの脱却に向けた原則を公表し、利上げが近づいていると意識されたためだ。円安を好感して18日の東京株式市場では日経平均株価が一時、1万6100円を突破し、1月上旬以来、約8カ月ぶりの高値となった。

 FOMCは10月に量的金融緩和を終了する方針を確認し、「出口戦略」の原則を公表。米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長(68)は記者会見で、景気動向によっては利上げ時期を早めると発言した。

 これを受け、18日の東京外国為替市場では円相場が1ドル=108円台に急落した。東京市場での108円台は2008年9月以来。FOMCを受けて米国債の利回りが上昇しており、日米の金利差拡大が意識されたことも円売りドル買いを促した。午後5時現在は前日比1円27銭円安ドル高の1ドル=108円54~55銭。

 円相場がドルに対して急落したのを好感し、日経平均株価は反発。上げ幅が210円を超える場面もあった。18日終値は、前日終値比178円90銭高の1万6067円57銭。

 円安で業績改善が見込まれる自動車や機械といった輸出関連銘柄に買いが集まった。米国の景気回復への期待感を背景に、前日の米ダウ工業株30種平均が史上最高値を更新したことも、東京株の支援材料となった。ただ、一部の銘柄には過熱感が出ており、利益を確定する売りもあった。

 ≪1カ月で6円以上…急激な変動に企業警戒≫

 外国為替市場で円売りが加速している。ここ1カ月で6円以上、18日には1日で1円以上も円安が進んだ。海外で事業を営むグローバル企業には“追い風”となるが、急ピッチな円安が輸入品の値上げにつながれば、消費税増税にあえぐ家計をますます圧迫し、消費意欲を冷やしかねない。物価上昇分を価格転嫁しにくい中小企業でも負の面が意識され始めた。

 「企業にはプラス、家計にはマイナス」

 こう分析するのは、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査室長だ。

 生産の海外移転が進み、円安でも輸出量は伸びにくくなったが、海外の売上高を円換算すれば円安効果が大きく出るからだ。

 非製造業では輸入品の仕入れ価格が膨らむため、基本的には円安は逆風となる。しかし、デフレからの脱却が現実味を帯びる中、コストアップ分を価格転嫁しやすくなっており、サークルKサンクスの竹内修一社長も「将来的には価格転嫁することもあり得る」と打ち明ける。

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁(69)は16日の記者会見で「日本経済にとって(円安は)マイナスにはならない」との持論を改めて披露している。

 2012年12月の第2次安倍晋三政権発足をきっかけに、輸出産業を苦しめてきた円高が是正され、企業業績は大きく改善した。

 しかし、東芝の田中久雄社長(63)が「急激に円安に振れると、材料費や燃料費が高騰する」とこぼすように、行き過ぎた円安への警戒感も強まる。円安を“歓迎”してきた自動車業界ですら、「手放しで喜ぶ状況にない」(池史彦・日本自動車工業会会長)と懸念を示し始めた。

 また、電気・ガス料金は円安などによる原燃料価格の上昇を毎月の料金に自動的に反映する仕組みがあり、日本ガス協会の尾崎裕会長(大阪ガス社長)は18日の記者会見で「消費者の負担が大きくなる」と懸念を示した。SMBC日興証券の丸山義正・シニアエコノミストは「1ドル=110円突破も否定できない」と予想。どこまでの円安を是認するのか、アベノミクスがこれから直面する焦点のひとつになりそうだ。(藤原章裕/SANKEI EXPRESS

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