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2人の関係の変化をうまく伝えられたら 瑛太、松田龍平 映画「まほろ駅前狂騒曲」
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ダブル主演の瑛太さん(左)と松田龍平さん=2014年9月29日、東京都新宿区(宮崎裕士撮影) 瑛太(31)と松田龍平(31)が便利屋にふんし、さまざまな騒動に巻き込まれ、もまれながら、人生とは何かを学んでいく人気シリーズの劇場版最新作が「まほろ駅前狂騒曲」(大森立嗣(たつし)監督)として帰ってきた。原作は、累計120万部を突破した作家、三浦しをん(38)のベストセラーシリーズ。映画「まほろ駅前多田便利軒」(2011年、大森監督)、続編として製作されたテレビドラマ「まほろ駅前番外地」(13年、テレビ東京系、全12話、大根仁監督)に続く第3弾が本作だ。
瑛太は「2人の関係に距離感が生まれたのが今回の映画。これまでのような『行天(ぎょうてん、松田)がボケて、多田(瑛太)が突っ込む』といった単純な関係ではなくなり、2人は新境地を見せてくれます」と魅力を紹介。松田は「前作を見ていなくても楽しめます。今回は親と子の関係を考えさせる内容に、より焦点が絞られたと思います」と言葉を継いだ。
柄の悪い架空の街、まほろ市で便利屋を営む多田啓介のもとへ、同級生の行天春彦が転がり込んでから3年目。多田は行天の元妻(本上まなみ)から彼の娘の子守を依頼される。行天は娘の顔すら見たことがない状況なだけに、多田は行天を刺激しかねない面倒な依頼を果たして受けるべきか逡巡(しゅんじゅん)していると…。
行天がなぜ娘に会えないのか? また、なぜ娘と一緒にいることを極端に恐れるのか? 親に虐待されて育った行天の幼少時代に深く踏み込みながら、物語は展開していく。
松田は「親から虐待を受けた場合、自分が親になったときに子供に対しても同じことをしてしまうのではないか-。僕はそんな恐怖感やグレーな心模様を見てほしいんです」と強調した。また、作中では親が子供にできる最善のことは何か-を何度も考えさせられる場面があることを踏まえ、「正解は誰も知らない。みんな価値観が違うわけですから、自分なりに正解を見つけていくしかないでしょうね」と、行天に自らの思いを重ねた。
一方の瑛太は人間関係の微妙な変化をしっかりと見届けてほしいようだ。「多田は『行天が実はまるで違う人間性も備えているのでは…』と深読みします。2人の関係が変化していく様子をうまくお客さんに伝えられたらうれしいですね」。10月18日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:宮崎裕士/SANKEI EXPRESS)