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【相川梨絵のバヌアツ通信】ゴミも課題も山積み、まずは分別意識から
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現在のゴミ処理場は、わずか2年間でゴミがいっぱいに…=2014年10月9日、バヌアツ・エファテ島(相川梨絵さん提供) 今回は、バヌアツのゴミ事情をご紹介します。首都があるエファテ島には焼却炉はなく、埋め立て式のゴミ処理場が1つだけあります。村などで出た生ゴミは、家畜の餌にしたり、自分たちで燃やしているのですが、その他のゴミはすべてここに集まります。
リサイクル会社も1社あるのですが、利用者はまだ一握り。ほとんどの廃棄物が分別されないまま、ここに埋められます。私がバヌアツへ来た当初、分別をしないということに、とても罪悪感がありました。燃えるゴミ、燃えないゴミはもちろん、缶、瓶も一緒。世界中でエコの意識が高まっているなか、こんなことをしていいのだろうかと…。
そんな思いを抱いていたある時、ゴミ処理場を見学する機会がありました。エファテ島のゴミ処理場は2006年、日本のJICAの支援によって福岡市と同じタイプのものが作られました。地中に管を通し、通気性と流水性をよくしたものです。地中の微生物がゴミを分解し、その時に出るガスや水をできるだけ早く排出させることで、衛生的になります。また、メタンではなく二酸化炭素が発生するため、温室効果ガスの軽減にもつながります。カサも減るのでより多くのゴミを処理できます。低コストで機能的ゆえ、他の太平洋諸国のモデルになっているそうです。
2年前、初めてこの施設を見学させてもらいました。確かにイメージするゴミ処理場とは違いました。ハエも少なく、においもそんなに気になりません。そして今月、再びこの施設を訪問しました。こんなにゴミが増えたの!?とびっくり。この2年間で埋め立てスペースにはゴミがいっぱい。ここ数年、人口増加や観光地化でゴミの量が増えているそうです。埋め立て処理場の敷地は48ヘクタールと広大で、まだ一部しか使われていませんが、このままゴミの分別をしなければすぐにいっぱいになるでしょう。
さらに、目についたのが、積み上げられたゴミの山から、使えそうなものをピックアップしている人たち。近隣の住民たちで、缶やビン、金属などは集めて売り、洋服などは、自分たちのものとして再利用するそうです。彼らの直接的な利益にもなり、使えるゴミは再利用され一石二鳥。こうした人たちによってゴミが分別されているのが現状です。
先日、鹿児島県志布志市の方が草の根技術協力事業でやってきました。志布志市はバヌアツと同じく焼却炉を持たず、埋め立てだけでゴミ処理をしているのですが、27にも及ぶ細かい分別を行うことで、劇的に廃棄物の量を減らすことに成功しました。細かいことが苦手なバヌアツ人に同じ分別を求めるのは無理でしょう。しかし、ゴミ処理場では生ゴミや段ボールが目立ったので、まずはそこから改善してみては-という意見を頂きました。
確かに処理場に運ばれてくるゴミのうち7割は生ゴミです。これを家畜の餌や肥料に100%回せるというのです。一部の商業施設やマーケットでは、農家と提携して肥料・飼料化に取り組んでいますが、まだまだその規模は小さいです。しかし、これこそがバヌアツが本来行っていた循環というものです。諸外国から物資や文化が大量に入ってきて、近代化が進んでいる今だからこそ、原点回帰が大切なのかもしれませんね。
ゴミ問題については、この国は課題が山積ですが、本腰をいれて取り組まなければならない時期にきています。まずは「分別」という言葉を知ってもらうところから。ゴミを最小限にして、いつまでも美しい自然を守ってほしいです。(バヌアツ親善大使、フリーアナウンサー 相川梨絵/SANKEI EXPRESS)