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お箸をちゃんと持つということ 平松昭子

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お箸をちゃんと持つということ 平松昭子

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お箸をちゃんと持つということ(イラスト:平松昭子さん提供)。http://kimonosnack.blogspot.com  【和のスタイル】

 みなさまは、お箸をちゃんと持つことができますか? 私は間違った持ち方のまま44歳になってしまい、もう直らないと開き直っていました。しかし最近、着付けのコツを覚え着物をきれいに着られるようになったせいか、他の至らない点が目立つように思えてきました。ぴしっと着付けた女性の手元が間違った動きをしているところを想像すると、あまりにもちぐはぐな感じがしましたので、この機会に本気で直そうと思いました。

 まず、お箸を使うときは正しい持ち方で食べ終わるまで続けてみました。今までは、あまりにも食事のペースがゆっくりになり食欲に負けて元の間違った持ち方にすぐ戻ってしまっていましたが、今回は本気で美しい持ち方をしたいと強く思いましたので続けることができました。3日目から、そんなに苦痛ではなくなり、逆に楽しくなってきました。ご飯を一粒一粒つまめることがこんなに楽しいなんて。

 この感覚は、PCのペンタブを使えるようになったときに似ています。ペンタブもなかなか使えず諦めていましたが、マウスを使い過ぎ手首を痛めたのをきっかけにペンタブを覚えました。1日目は脳からの指令がなかなか指先に届かず、途中の神経の首筋がもぞもぞしました。しかし1週間ですいすい使えるようになりました。お箸もそのときのような感覚です。いくつになっても、できなかったことができるとお祝いしたくなるくらいうれしいですね。

 先日、恋人と焼き鳥やさんに行きました。私は「お箸が持てるようになったのよ」と得意げに箸を動かしてみせました。すると彼は対抗して、私の10倍速で箸を動かしました。「僕は中学の頃、突然お箸を正しく持ちたいと思って練習した、それがかっこいいと思ったんだ」と教えてくれました。

 高2の息子は、小学生のときから使っているぼろぼろの“かっとばし!!”(折れたバットをリサイクルした箸です)を愛用しています。なかなか新しい物に変えさせてくれません。お箸の持ち方もおかしいです。「この持ち方でいいんだ!」と大変男らしいです。私たち親子はお魚の食べ方も下手なので次は骨を上手に取れるようになりたいです。(イラストレーター 平松昭子/SANKEI EXPRESS

 ■ひらまつ・あきこ 1970年、愛知県生まれ。広告プロダクション退社後、フリーのイラストレーターに。ファニーでエレガントなイラストで人気を集め、現在は「GLOW」でコミックエッセーを連載中。「kate spade new york」日本公式ブロガー。水墨画や日舞をたしなみ、着物を愛好する。著書に「お洒落きものイズム」(グラフィック社)など。LINEのスタンプ「ラヴ&ゴージャス」が発売中。

kimonosnack.blogspot.com

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