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【衆院選】アベノミクス解散 波乱含み 12月2日公示14日投開票 2年間の信任問う
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「解散詔書」の読み上げ後に、伊吹文明(ぶんめい)議長が「万歳はここでやってください」と促し、前代未聞の2回目の万歳が行われた=2014年11月21日、国会・衆院本会議場(寺河内美奈撮影) 衆院は21日午後の本会議で解散された。これを受け、政府は臨時閣議で第47回衆院選の日程について「12月2日公示-14日投開票」とすることを決め、事実上の選挙戦に突入した。安倍晋三首相(60)は会見で、「アベノミクス解散だ」と自ら命名し、政権が取り組んできた経済政策の是非が争点になるとの考えを示した。集団的自衛権行使容認を含む安全保障政策や原発再稼働なども争点となり、第2次安倍政権の2年間の信任が問われる選挙となる。
解散後、官邸で記者会見した安倍首相は「経済政策を前に進めるのか、止めてしまうのか問う選挙だ」と語った。また、来年10月に予定していた消費税率の10%への再引き上げを2017年4月まで延期する方針を決めたことを受け、「税制に重大な変更を行った以上、選挙をしなければならない」と強調した。
選挙の勝敗ラインについて、「与党で過半数獲得」とした上で、「候補者全員の当選を目指す」と決意を語った。
これに対し、最大野党の民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)は記者団に、「これからの4年間、日本が間違った方向に行かないように正す選挙にしたい。立憲主義を否定する安倍政権の体質を争点にしたい」と述べた。
解散のための衆院本会議では、前代未聞のハプニングが起きた。天皇陛下の署名、押印(御名御璽(ぎょめいぎょじ))を受けた解散詔書の朗読で、伊吹文明(ぶんめい)衆院議長(76)が「憲法第7条により衆院を解散する。御名…」と最後まで読み終わらないうちに、自民党若手ら一部が恒例の万歳三唱をフライングで始めてしまった。伊吹氏は苦々しい表情で議場が収まるのを待ち、全てを朗読した後、「万歳はここでやってください」と促し、2度目の万歳三唱をする異例の解散「儀式」となった。民主党議員は解散への抗議から万歳をせず、海江田代表は「自民党は浮足立っていますね」と話した。
波乱も予感させる幕開けとなった衆院選。小選挙区の議員定数の「0増5減」により小選挙区が295議席、比例代表180議席の計475議席で争われる。
21日午後8時現在、産経新聞社のまとめでは、少なくとも選挙区で910人、比例代表で118人の計1028人が立候補を予定している。2年前に圧勝した自民の「1強」が続くのか、それとも野党が挽回するのか。20日余り後には審判が下る。(SANKEI EXPRESS)