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【衆院選】膨張民主 急ごしらえの「互助政党」

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【衆院選】膨張民主 急ごしらえの「互助政党」

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民主党の両院議員総会で気勢を上げる海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(中央)、枝野幸男(ゆきお)幹事長(右)ら=2014年11月21日午後、東京都千代田区永田町の党本部(共同)  衆院が21日に解散され、野党は安倍晋三政権に代わる勢力の結集を目指している。ただ、12月2日の衆院選公示を前に民主党に駆け込む前議員は後を絶たず、21日に発表された維新の党の公認候補に前回は他党から立候補した元議員らの名も少なくない。候補者のいない選挙区を急ぎ埋める“膨張路線”にひた走り、「選挙互助政党」になりつつある両党の姿がうかがえる。

 相次ぐ駆け込み

 「これから自民党に4年間任せたら、日本はとんでもない方向にいってしまう。私たちこそ、その流れをただす勢力になる」

 民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)は21日、衆院解散直後の両院議員総会で気勢を上げた。民主党の議席増をあてこみ、他党からの駆け込みが相次ぐ現状への自信がうかがえる。

 この日は、解党が決まったみんなの党から新たに柏倉祐司(かしわくら・ゆうじ)前衆院議員(45)らが党本部に枝野幸男(ゆきお)幹事長(50)を訪ね、入党届を提出した。柏倉氏は栃木1区で民主党公認候補となる方向だ。

 生活の党の鈴木克昌(71)、小宮山泰子(49)両氏は国会内で記者会見し、民主党への復党を発表した。民主党が消費税増税を凍結したことで「壁が取れた」(鈴木氏)と語った。

 しかし、柏倉氏は民主党や民主党支持団体の労働組合を批判してきたみんなの党の渡辺喜美(よしみ)前代表(62)の側近として活動してきた。生活の党と民主党は原発再稼働をめぐり立場が異なる。

 首相「烏合の衆」

 民主党と維新は21日、それぞれ1次公認候補を発表する一方で、競合する小選挙区の調整を続けた。維新の松野頼久国会議員団会長(54)は記者団に「230~240の選挙区は一本化できている」と語り、選挙協力は順調との見通しを示した。

 民主党の前原誠司元代表(52)らは維新と合流して新党をつくるべきだと訴えるが、「政権運営に失敗したと国民にみられている民主党の党名と、発信力に欠ける海江田代表を、新党結成をきっかけに代えたいだけだろう」(閣僚経験者)と冷ややかに見る向きもあり、党内で広がりを欠く。維新の橋下(はしもと)徹共同代表(45)=大阪市長=は21日になっても衆院選に出馬するかどうか明言せず、停滞の要因となっている。

 民主党と維新は21日、衆院選共通政策を発表した。ただ、(1)一括交付金の創設(2)同一労働同一賃金法の制定(3)領域警備法の制定(4)ヘイトスピーチ規制法の制定(5)議員定数削減、一票の格差是正-だけ。旧日本(にっぽん)維新の会と結(ゆ)いの党が合併した際の65項目とはほど遠く、両党の「急ごしらえの連携」の印象は拭えない。

 海江田氏が「今国会で『自民党』の衆参両院議員は健闘した」と言い間違え、周囲に「民主党、民主党」と訂正されるという先行きに不安を感じさせる一幕もあった。

 そんな民主党を、安倍晋三首相(60)は自民党両院議員総会でこう喝破した。

 「民主党は政策を横に置いて数だけ増やそうとしている。これではまるで『烏合(うごう)の衆』だ。あの混乱を、繰り返してはならない」(沢田大典/SANKEI EXPRESS

 ≪「0増5減」 大幅削減先送り≫

 衆院解散に伴い、小選挙区の「1票の格差」は今回の衆院選から「0増5減」の定数是正が実施される。だが、安倍首相が消費税増税に国民の理解を得るため「身を切る改革」として誓約した議員定数の大幅削減は先送りになった。定数削減を含む衆院選挙制度改革を検討する有識者調査会は存続するものの、はしごを外された格好だ。

 定数削減は2012年11月の党首討論で、民主党政権の野田佳彦首相(57)が衆院解散の条件として数十議席程度の大幅削減を提案。野党自民党の総裁だった安倍首相は「(13年の)通常国会でしっかりやっていくと、この場で約束する」と応じ、総選挙を経て、政権に復帰した。

 自民党はその後、比例代表定数削減を主張し、小選挙区削減などを訴える野党との協議は難航。有識者調査会は今年9月に議論を始め、来年にも答申をまとめる方針だった。

 1票の格差については13年の通常国会で「0増5減」の区割り改定法が成立。今回から福井、山梨、徳島、高知、佐賀の5県の小選挙区数は、それぞれ3から2に減る。

 10年国勢調査に基づく最大格差は2倍未満に縮小されるが、今年1月の住民基本台帳に基づく試算では、最大2.109倍。今回の衆院選で2倍超の不平等が生じる可能性がある。

 ≪次世代が公約発表≫

 次世代の党は21日、衆院選公約を発表した。アベノミクスについて「基本的方向性は是とするが軌道修正が必要だ」として、一連の政策を「次世代ミクス」と命名、金融政策への過度の依存是正、消費税増税の延期、道州ブロック単位での規制改革などを挙げた。

 憲法については「国民の手による新しい憲法(自主憲法)の制定」を打ち出し、自衛隊(国防軍)や緊急事態に関する規定の新設、議院内閣型首相公選制の導入などを明記した。安全保障政策では、個別的・集団的自衛権行使の要件を明確化する安全保障基本法制の整備をうたった。

 このほか、財政制度の複式簿記化、政府の「国家経営」に関し責任を明確にするための財政責任法の制定、公的年金の積み立て方式への移行なども盛り込んだ。(SANKEI EXPRESS

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