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【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】(9-4) 原点は阪神大震災 支援の輪拡大

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【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】(9-4) 原点は阪神大震災 支援の輪拡大

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NPO法人「すぎとSOHOクラブ」副理事長の豊島亮介さん(左)の案内のもと、「NPO埼玉ネット」代表理事の松尾道夫さん(右)とも対談した天童荒太(てんどう・ああらた)さん=2014年11月4日、埼玉県さいたま市北区(野村成次撮影)  ≪「NPO埼玉ネット」≫

 《もう一人のキーマンが、「NPO埼玉ネット」の松尾道夫代表理事だ。豊富なNPO同士のネットワークを持ち、多種多様な団体の参加を実現させた。「埼玉~」の事務局長も務める豊島さんの案内のもと、松尾さんを訪ねた》

 天童荒太さん(以下天童) 先ほど小川さんにもお話をうかがって、助けるにせよ助けを求めるにせよ、緊急時にリーダーの果たす役割がいかに大きいかということを実感させられています。やるべきことだと腹を決めた個人が動くことで、周りや組織が動きだす。松尾さんも豊かな人脈をいかして、震災直後の支援だったり、今回の訓練につなげられた。その原点は?

 事務所賃料3000円払えず

 松尾道夫さん(以下松尾) 一番最初は、フリーマーケットのNPOをやっていたんです。お祭りが好きなんですね。そういうお祭りと、市民活動がうまくつながればと。フリマをやりながら熱気球をあげるとかいろいろやっていて。2004年、現在の埼玉県知事が当選して、埼玉を日本一のNPO立県にすると宣言した。

 そこでNPOにオフィスを提供しようということで、「埼玉県NPOオフィスプラザ」というNPOの支援施設を作った。そこにわれわれ含め14団体が入居した。マンションの自治会のようなものが作られて、その委員長が私に。そこで、せっかくNPOが集まったんだから、そこがレベルアップする必要があると。その上で、港区にある「みなとNPOハウス」をモデルにした。「みなと~」には全国的なNPO法人が入っていて。そこからNPOの運営の仕方をサポートしてもらうようになって、NPO同士の連携のような取り組みに私の方もなっていった。

 NPOといっても、事業規模が300万円以上のとこ、全体の3割あるかどうかというぐらい。事務所の賃料3000円も払えないNPOがほとんどです。そういったNPOが活動を広げていこうという取り組みの一つとして、代々木公園で「NPOまつり」というイベントをやったり。

 そんなことをやりながら、一方で、NPO法の成立には、阪神淡路大震災があったから、そこを忘れてはならない。NPOの原点はそれだから、災害支援やっていこうと。オフィスプラザに災害救助犬の団体のメンバーが出入りしたり、阪神淡路大震災の時に支援をしていた団体のメンバーと知り合ったり、そういったつながりがどんどん広がって、災害支援をやるようになった。

 天童 根本的な質問ですが、なぜこれほどNPOが増えてきたのか、つまりなぜみなさんNPO法人を作るのでしょうか。

 松尾 NPO法人の認証を取れば、行政の支援を受けやすくなるという人もいますね。もちろん、そこには基本となる事業がないとダメ。行政としては、どこかの株式会社とか、任意団体とかよりは、NPOの方が支援しやすい。寄付金にしても、会社に寄付するって違和感ありますよね。フリマのように事業性が高いような団体の場合は有限会社にしてしまってもいいと思いますが、災害支援などに関わる団体は、NPO法人の認証を取得するのがいいのではないかと。(取材・構成:塩塚夢、撮影:野村成次/SANKEI EXPRESS

 ■特定非営利活動促進法(NPO法) 市民活動団体に法人格を与え、公共サービスやボランティアなど社会貢献活動の健全な発展を促進して公益の増進に寄与することを目的にする法律。阪神淡路大震災で多数のボランティア団体が活躍したのを契機に、非営利団体が自由度の高い形での法人格を取得できるよう、1998年施行された。

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