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【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】(9-9) 対談を終えて 人間っていいもの

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【だから人間は滅びない-天童荒太、つなげる現場へ-】(9-9) 対談を終えて 人間っていいもの

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作家の天童荒太(てんどう・あらた)さん=2014年11月4日、埼玉県さいたま市北区(野村成次撮影)  この連載を通じて、いろんな人と語らってきました。彼らとの対話を終えて思うのは、冒頭の言葉とも重なりますが、「つながることは生存に直結する」ということ。身近な人とはもちろん、遠く離れた地域だったり、外国だったり、いろんな他者とつながることで、リスクを減らすことができる。それは、子供や孫の世代にも関わります。人と人とのつながりというのは、われわれが生きて、未来へとこの世界をつないでいく中で、最も必要なスキルだと思います。

 その手段の一つが、「祭り」。今までお会いした方々は、みなさん「お祭り」的な要素を持っていました。祝祭を通じて、人と人が垣根を越えて、互いの顔を知っていく。「もう他人ではないよ」-。遠くの人と顔見知りになる、この「他人ではない」という感覚がとても大事で、きっとどんな兵器よりも強い抑止力、平和の礎となるはずです。

 さて、連載のタイトルにもなっている「なぜ人間は滅びないのか」という問いの答えは出たでしょうか。きっと、これまでの連載を読んでくださった方には、自然と伝わっているはずだと信じています。「なぜ人は人を虐げないと生きていけないのか」というのが私がずっと追いかけているテーマですが、それと対をなすのが「なぜ、人は人を助けるのか?」です。人が人を助けなかったら、人類はとっくに滅んでるでしょう。だから本能なのか、遺伝子レベルに組み込まれている生存システムなのか…その答えについては、私はこれからも考えていくことでしょう。でも、答えが出なくても、きっとこれからも、人は人を虐げ、それ以上に人は人を救っていくのです。。(作家 天童荒太 談/取材・構成:塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■てんどう・あらた 1960年、愛媛県生まれ。86年『白の家族』で第13回野性時代新人文学賞受賞、93年『孤独の歌声』が第6回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で第9回山本周五郎賞受賞、2000年『永遠の仔』で第53回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞、09年『悼む人』で第140回直木賞、愛媛県文化・スポーツ賞、13年『歓喜の仔』で第67回毎日出版文化賞受賞。

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