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【勿忘草】美文字が書きたい

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【勿忘草】美文字が書きたい

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 美しく文字を書けるようになりたい。毎年、年賀状の季節になるたびに思ってきた。

 仕事柄、取材ノートに毎日、文字を書く。子供のころに書道を習っていたことはあるが、自分の字は決してきれいとはいえないと自覚している。10年以上の記者生活で身についたのは、ともかく早く書くことだ。記者のなかには、本人以外に読み取れないような文字を書く人もいる。そういう人に比べたら、「私はまだマシ」。そう思っていた。

 以前、美文字について取材をしたときに、講師の方に文字を見ていただいたことがある。「もとの字が汚いわけではない。まずはもっとゆっくり書くこと」というアドバイスをいただいた。取材は仕方ないけれど、普段は丁寧に字を書こう。そう決意したものの、早く書くクセはなかなか直らない。

 今年になって、産経新聞の生活面で掲載する美文字に関するコラムの担当になった。執筆してくださっているのは、書写教室を展開している公文エルアイエルの方だ。数年前からの美文字ブームで、書写教室に通う女性も増えているという。OLもいれば、子供にきれいな字を教えるには、まず自分からと考える母親もいるそうだ。

 公文エルアイエルサポート部の大作正明さんによると、活字だと、字の大きさや縦横が均等になるが、手書きだと、縦長の文字があれば、横長の文字もある。行の幅に変化が生まれ、手書きならではの美しさが出るという。

 パソコンの普及で、手書き文字を目にする機会は減った。だからこそ、手書きのお礼状などをいただくと心に残る。書かれている文字がきれいだと、相手の印象が良くなる。「文字や文章を美しく整えて書く」ということにこだわりを持つのは、日本ならではの文化だという。「文字を読む相手を思いやるという日本独特の文化といえるのではないでしょうか」と大作さん。

 掲載紙を取材先に送るときに、一筆添えることが多い。自分の字は相手の方にどんな印象を与えているのだろうか、と考えてしまった。連載は年内で終了予定だが、まずは、コラムを読み返し、年賀状の文字をきれいに書くことから始めたいと思う。(油原聡子/SANKEI EXPRESS

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