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【勿忘草】食品もサブカル化

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【勿忘草】食品もサブカル化

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 紙パック飲料「雪印コーヒー」など中高年になじみのある定番食品の販売促進用に、アニメ風オリジナルキャラクターの開発が相次ぎ、話題を呼んでいる。アニメや漫画などサブカルチャーに親しんだ若い世代を取り込むのが狙いだという。従来は、食品のキャラクターというと、かわいらしい動物や子供が多かっただけに、初めてこの話を聞いたときには驚いた。

 雪印メグミルクは雪印コーヒーが発売50周年を迎えた2013年、愛称「雪コー」にちなんだ美少女キャラ「ゆきこたん」6人を制作した。若い男性を狙い、パックに印刷するなどキャンペーンを展開。「好きなキャラの商品は全部買った」という人も多く、昨夏のキャンペーン期間中の売り上げは前年同期比10%増と好評だった。雪コーの購買層は40~50代男性がメーン。担当した市乳事業部の下入佐達志(しもいりさ・たつゆき)さんは「若返りを図らないとロングセラーにならない」と話す。

 東洋水産のチルド麺「マルちゃん生ラーメン」も購買層が50~60代と高く、若い女性を対象にイケメンキャラ「東水家の3兄弟」を設定。人気声優を起用した音声レシピを1月末までホームページなどで紹介している。

 キャラ付き商品を抵抗感なく手に取る大人が増える中、さらに狭いジャンルとみられた「ボーイズラブ」(美少年同士の恋愛がテーマの作品)風漫画を使ったのはブランド豚「四元豚(よんげんとん)」を販売する住商フーズ。40~50代の主婦が中心の購買層を、20~30代に広げるのが目的だ。漫画のキャラと「このブタ買ってくれたら、キスしてやるよ。」などのせりふが書かれたシールを豚肉パックに貼ったところ、若い消費者が驚いてネット上に書き込み、情報拡散力が注目された。

 東洋大の長島広太教授(マーケティング)は「オリジナルキャラは既存のキャラと違い、商品に合わせ自由に作り込める。コストが安い場合も多いが、活用領域が広がったのはサブカルがおたく層以外に受け入れられたことが大きい」と分析する。

 気付けば、食品に限らず、コンビニエンスストアなどいろいろなところにアニメ風キャラクターがいる。ゆるキャラが定着したように、アニメ風キャラがあたり前になる日は近いのかもしれない。(油原聡子/SANKEI EXPRESS

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