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科学
座り続けることにサヨナラを 大和田潔
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秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)
「“座りっぱなし”で寿命が縮む? 運動してもリスク残る」(CNNニュース 2月3日)という記事が掲載されました。カナダの研究チームが複数の報告を調査した結果、座る時間が長いと体に悪影響があるようです。心筋梗塞などの心血管の病気や、がん、糖尿病に悪影響を及ぼすことが明らかになりました。
特に糖尿病には、悪い影響があるようです。「1日当たり8~12時間以上座っていると、2型糖尿病を発症するリスクが90%高くなる」とのこと。さらに運動するとリスクは少し下がるけれども、座り続けることによるリスクの上昇をカバーしきれないとのことでした。週末に運動しているから日々仕事やテレビを見ながら座り続けていい、というわけではなさそうです。
「座ってばかりでなく、できるだけ日々の生活を活動的に過ごしましょう」という健康法を教えてくれています。以前、長寿の人が多い村というテレビ番組を何回か拝見したことがあります。生活のヒントになるために、視聴率が高いのかもしれません。
日本でも海外でも、こうした村の長生きのお年寄りは元気に日々の作業をしていました。ある村は、坂ばかりの村なので山の中腹にある畑まで結構な速度で登っていって作業されていました。作物をお世話するのも、刈り取るのも黙々と。昼夜たがわず、いきいきと仲間たちと会話を交わして食事を楽しんでいました。
私たちは、走ったり泳いだりする「運動」には身構えて億劫(おっくう)になりがちです。けれども「なるべく座らないようにする」というのであれば、グッとハードルが下がります。デスクワークが続いていれば、時々ブレークを入れて立ち上がって違うフロアに階段で移動して立って一服する。家でテレビを30分見たら、部屋を掃除したり洗濯したり、買い物へ出かけたりする。週末も、わざわざコンビニやカフェへコーヒーを買いに行ったりする。
食事の厳しい制限も、体重を落とすためには、短期間なら可能かもしれません。私たちの人生は、結構長い。ずっと食事制限するには無理があります。「長生きするためには座り続けていないで動け」という問いかけは含蓄深いものがあります。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)