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【プロ野球】黒田「いつ壊れてもいい。後悔ない」 8年ぶり 古巣・広島に復帰

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【プロ野球】黒田「いつ壊れてもいい。後悔ない」 8年ぶり 古巣・広島に復帰

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ヤンキースから広島に復帰し、入団会見で決意を語る黒田博樹=2015年16日、広島県広島市中区・リーガロイヤルホテル広島(河田一成撮影)  24年ぶりの優勝を狙うプロ野球広島に、黒田博樹投手(40)が帰ってきた。米大リーグのヤンキースから8年ぶりに古巣に復帰した黒田は16日、広島市内のホテルで入団記者会見を行い「自分の決断は本当に良かったのかと考えることもあった。ファンの声を聞き、これで良かったかなという気持ちになった」と率直な思いを述べた。一線級の大リーガーのまま復帰したベテラン右腕。存在の大きさは、若手の多いチームにとって計り知れない。

 地元民放全局で中継

 地元の民放全局で中継されるほど、会見は熱気に包まれた。約120人の報道陣に約20台のテレビカメラ、無数のカメラフラッシュ。数々の大舞台を踏んできたベテランは「緊張している」といい、古巣復帰に「不安しかない」と語った。

 輝かしいキャリアに反した弱気な言葉だが、「僕の野球人生は長くない。メジャーでもそうだったが、毎回その試合が最後、その1球が最後という気持ちで常にマウンドに上がっていきたい」と、リーグ優勝へ懸ける強い決意をにじませた。

 高校時代までは目立つ存在ではなかった。実績を積み、名門ヤンキースでは大黒柱に。「野球人として素晴らしい試合」を経験する一方で「苦しかった。言葉がわからない中で戦い抜くのは大変。挑戦した以上はプレッシャーをかけてやっていた」と振り返る。

 「今年しかない」

 原動力は強いメンタルと広島への思い。毎年根気よく声をかけてくれた球団の熱意、大リーグ移籍を考えた2006年に1年残留を決意させた胸を打つファンの応援。「最後に帰るならカープと思っていた。そして、年齢的にも帰るなら今年しかないと思った。気持ちがぶれないためにもメジャーで結果を出したいというのがモチベーションだったと思う」

 昨季、大リーグの日本選手初となる5年連続2桁勝利の11勝を挙げた黒田は、米国に残れば今季も年俸20億円程度を手にできた。しかし、約5分の1の推定年俸で帰ってきた。

 「カープのユニホームを着て投げる方が、最後の1球になったとしても僕の中で後悔は少ない」と言い切った。

 熱い思い強い決意

 決して大きなことを言わないが、一つだけ胸を張ることがある。「人と違う強みは、いつ壊れても、いつ辞めてもいいと思ってマウンドに上がっていること。復帰1戦目で肩がとんで投げられなくなる可能性はあるし、それでも後悔はしない」と迷いなく決意を口にした。

 17日に2次キャンプ地の沖縄に入り、18日から練習に合流する。(SANKEI EXPRESS

 ■くろだ・ひろき 大阪・上宮高から専修大を経て1997年にドラフト2位で広島入団。2005年に15勝で最多勝。06年に1.85で最優秀防御率。広島で通算103勝89敗1セーブ。フリーエージェント宣言して08年にドジャース移籍、12年からヤンキース。米大リーグ通算79勝79敗で日米通算は182勝168敗1セーブ。右投げ右打ち。大阪市住之江区出身。

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