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花粉は付着を避けて洗い流す 大和田潔

 今年は、花粉が多い年と言われています。花粉症の対策は、「付着しないようにする」「こまめに洗い流す」ということから始めるとよいと言われています。まだ寒さが厳しく上着が必要な季節です。ツイードや羊毛のジャケット、表面積が広く花粉を付着しやすいモコモコした素材の服は避けて、ツルツルした化学繊維や木綿素材の服を選ぶようにしましょう。

 髪の毛にも付着しやすいので、なるべくまとめるようにして、帽子をかぶるのも良い方法です。最近は、目や鼻を防御するメガネや鼻栓も工夫されているので、マスクとともに用いるのも良いかもしれません。屋内に入る時には、軽くたたいて花粉を落とし、身に着けていたものを外して玄関においたり、ポリ袋に入れておくとよいでしょう。

 花粉は、容易に水で洗い落とせます。顔をマメに洗うことは、有効な手段です。うがい薬や目薬は必要なく、普通の水道水で十分なので、時々洗面所で顔を洗うとよいでしょう。

 女性はお化粧のこともあるので、市販されている目を洗うカップに水をいれて時々洗ったり、涙に近いタイプの目薬をさして軽く目尻を押さえるようにして洗い流すとよいかもしれません。あまりきれいな話ではないのですが、洗面所で時々鼻の穴を水で洗うのも良い予防方法です。くしゃみを連発したり、鼻が詰まって苦しくなったりすることを避けることができます。

 医療機関から処方される抗アレルギー薬は、抗ヒスタミン薬と呼ばれるものが主となります。目や鼻に潜り込んでアレルギー反応を起こす細胞を鎮める作用があります。脳のヒスタミン系も抑制することがあり、作用が強くなると眠くなるのが弱点です。月経不順になる方もいます。アレルギー反応の悪循環を絶つ抗ロイコトリエン薬というものもあります。眠気を避けるため、抗ロイコトリエン薬を併用することもよくあります。

 花粉症はくしゃみや鼻水、かゆみだけでなく仕事をする集中力を失わせてしまいます。薬を最小限にしたり効果を高めたりするためにも、まずは花粉を付着させないようにして、こまめに顔を洗うことから始めてみることにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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