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政治
「大阪都」協定書を可決、住民投票へ 市議会 維新・公明で賛成多数
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大阪市議会本会議で「大阪都構想」の協定書が可決、承認され、明るい表情で議場を出る橋下(はしもと)徹市長=2015年3月13日夜、大阪市北区(榎本雅弘撮影) 大阪市を5つの特別区に分割し、大阪府との間で役所機能を再編する大阪都構想の協定書議案について、大阪市議会は13日の本会議で採決し、橋下(はしもと)徹市長(45)が代表を務める大阪維新の会と公明党の賛成多数で可決した。17日の府議会本会議でも可決されれば、制度創設後初めて政令市の存廃を問う大阪市民対象の住民投票が5月17日にも行われる。
住民投票で賛成多数となった場合、2017年4月の特別区設置が決定。橋下氏らは「都」移行に必要な法整備に取りかかる。
協定書によると、都移行後、市は北▽湾岸▽東▽南▽中央-の5特別区に分割。都が観光戦略など大阪全体に関わる広域行政を担い、教育など住民に身近な行政サービスを特別区が行う。橋下氏は現在の大阪府・大阪市体制の弊害として、それぞれが同様の施設整備に莫大(ばくだい)な税金をつぎ込んできた二重行政を指摘。解消する切り札として都構想を掲げる。
一方、野党会派は「特別区設置によって600億円から680億円のコストがかかり、住民サービスも低下する」と反対し、都構想がなくても行政の無駄を解消できるとしている。
協定書は昨年7月、維新メンバーのみの大阪府市法定協議会で決定したが、昨年10月、府市両議会で公明を含む野党側が反対して否決。昨年末には公明が「都構想議論を収束させるため、住民投票で決着する」と方針転換し、今年1月13日に野党メンバーも含めた法定協でほぼ同じ内容の協定書を決定。2月に府市両議会に再提案された。
議会での協定書承認後、大阪市選管が4月27日告示、5月17日投開票の住民投票日程を決定する見込み。橋下氏は住民投票で都構想が否決されれば、12月の市長任期満了とともに政界を引退すると明言している。
≪橋下氏執念 「簡単には終わりませんよ」≫
「これだけの時間、労力をかけて市民に否決されたら政治家をやめないといけない」。橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)は2月26日の市議会本会議で宣言した。大阪府知事だった2010年1月に「大阪のかたちを変えたい」と大阪都構想に言及してから5年余り。批判を伴う強硬策をためらわずにたぐり寄せた住民投票で、自らへの審判もあおごうとしている。
都構想実現に向けた政治エネルギーを生み出すために維新を立ち上げ、都構想を公約に掲げた11年の知事、市長選のダブル選で圧勝。その勢いで旧日本(にっぽん)維新の会(維新の党)を旗揚げして公明党と選挙協力を結び、見返りとして都構想への協力をとりつけた。
法定協で議論の進め方をめぐり公明と決裂してからは、力業の連続だった。協定書作りがストップした法定協からの野党排除を公約に掲げて昨年3月に出直し市長選を強行。過去最低の投票率となったが意に介さず、維新のみの法定協で協定書を完成させた。
昨年10月に府市両議会で協定書議案がいったん否決されても、「議会が否決するなんておこがましい」と再提案を表明。間近に控えていた衆院選で公明候補の刺客として出馬する可能性に言及して公明を揺さぶり、住民投票実施に賛成する方向へかじをきらせた。
かつて都構想への道のりを「階段」と例えた橋下氏にとって、目前に残るのは住民投票の1段のみ。1月下旬、大阪市内の街頭演説で満面の笑みをみせた。
「やっと住民投票。去年は『大阪維新の会は終わり』『橋下も終わり』と言われたが、そうは簡単には終わりませんよ」(SANKEI EXPRESS)