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大人が選ぶワンランク上のジャージー HAKUJI
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自作のニットパンツ(2万1000円)にニットタンクトップ(1万4000円)をインナーに着たデザイナー佐々木杏さん=2015年3月17日、神奈川県横浜市西区(藤沢志穂子撮影)
「ジャージー」といえば運動着などでおなじみ、伸縮自在のカジュアル素材。そんなジャージーに特化して、着心地よくおしゃれに仕上げたのが、2015年春夏シーズンから始まった「HAKUJI」だ。上質のコットンを使った素材の良さとカッティングの妙で、ジャージーを「部屋着にしない」ことを目指す。デザイナーの佐々木杏さん(34)が、自分が着たいものを形にした等身大のブランドだ。
30~40代に人気のスペシャリティーストア、ロンハーマンでは3月中旬、ルミネ横浜店(横浜市)の店舗にHAKUJIを新規導入した。ホワイト、グレー、ブラック、ネービーを基調としたジャージーなどコットン素材のシャツ、ワンピース、パンツ、スカートやブルゾンなどが並ぶ。どれもベーシックなようでスタイリッシュ。「20代でいろんなファッションを経験した層が行き着くスタイル。スタッフの評価が良く、お客さまから早くも支持されてきている」とロンハーマンの担当者は話す。ロンハーマンではほか、神戸店と福岡店で取り扱いがある。
HAKUJIとは陶磁器の「白磁」から来ている。白い素地に無色の釉薬(ゆうやく)を重ねる白磁のように、日常に溶け込むスタンダードとしてジャージーに新たな価値をもたらす願いを込めている。素材はインド産の綿花を細い糸に紡いで織り上げた高級コットンで、滑らかな肌触りが特徴。アイテムの大半を国内で製造している「メード・イン・ジャパン」だ。
兵庫県出身の佐々木さんは、神戸芸術工科大学を卒業後、グラフィックデザイナーとして活躍。その後アパレル業界に転身し、上京してブティックで販売員として働いていた。次第に自分がいいと思うものを作って売りたくなる。タレントの衣装などを作る会社に入って服作りを学び、オリジナルブランド「Vinyl」(現VINCA TOKYO)を2005年に立ち上げた。
「勉強のためにと、修業中に東京であちこちのファッションイベントやパーティーに参加した経験をそのまま生かした」と佐々木さんが笑うように、主に20代向けに、エッジをきかせつつ、フェミニンさも併せ持つデザインが特徴だ。
ただ30代を迎えるに当たり、等身大の自分が着て居心地のいい服が作りたくなる。仕事でたまたま出合った上質なジャージー素材に一目ぼれ。「飽きの来ない長く着られる上質な服を作りたい」と始めたのがHAKUJIだ。
素材は伸縮性があり、着心地は抜群だが型崩れしない。ベーシックでいながらトレンド感があるのは、佐々木さん自ら着て裁断するカッティングの妙にある。
一見するとシャツに見える白いコットン素材のワンピースは、胸が開きすぎず裾が広がりすぎない、ゆったりしながらスマートな印象を与える形。そのまま着ても、チュニックとしてパンツに合わせてもいい。タンクトップやセーターなど、シンプルなアイテムをコーディネートする楽しみもある。
またアイテムには必ず香りを封じ込めたタグがつく。グリーンと柑橘系を合わせたような爽やかな香りで、「日曜の朝に気持ちよく目覚める香りをイメージした」と佐々木さん。クローゼットの扉にかけて、「香りを楽しみながら服を選んで出かけてほしい」という思いがこもっている。
2015年の秋冬シーズンでは、新たにワインとカーキのカラーが登場。かちっとしたワンピースのほか、ジャンパーやコートなども新たに登場する。
「ベーシックでいいものが分かる人に楽しんでほしい」というHAKUJI。現在は横浜、神戸、福岡にあるロンハーマンをはじめ、一部のセレクトショップなど全国で15店ほどの取り扱いがある。今後は日本文化に造詣の深い訪日外国人にも積極的にアピールしたいという。佐々木さんはVINCA TOKYOと2つのブランドを走らせる多忙な毎日だが、「将来的には海外進出も」と意気込んでいる。(藤沢志穂子/SANKEI EXPRESS)
■ロンハーマン横浜店 横浜市西区高島2の16の1 ルミネ横浜店B1F。(電)045・440・3339。午前10時~午後9時。不定休
ブランドに関する問い合わせはブランドニュースへ。(電)03・3797・3673。