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官房長官と沖縄知事が初会談 「辺野古」平行線 7月まで綱引き

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官房長官と沖縄知事が初会談 「辺野古」平行線 7月まで綱引き

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初会談で厳しく応酬した沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事(左)と菅義偉(すが・よしひで)官房長官=2015年10月5日午前、沖縄県那覇市内のホテル(共同)  ≪「辺野古」平行線 7月まで綱引き≫

 菅義偉官(すが・よしひで)房長官と沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事の初会談は持論の応酬で火花を散らせた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で「ぎりぎり唯一の解決策」と「移設は認めない」という立場の違いから「抑止力論争」へと発展したが、菅氏の戦略転換の布石だとの見方がある。最大の山場を迎える7月まで激しい駆け引きが予想される。

 抑止力論争で戦略転換

 「抑止力論争があった。日米同盟の意義についての話もした」。会談後、翁長氏は開口一番、記者団にそう明らかにした。抑止力と日米同盟は菅氏が翁長氏の見解を最もただしたかったテーマで、論争を仕掛けたのは菅氏だ。

 辺野古移設の意義は普天間飛行場の危険除去だけではない。県内移設により米海兵隊の抑止力を維持することも劣らず意義がある。

 「抑止力維持と基地負担軽減は本来、相反する」(自衛隊幹部)が、両立が可能なのは辺野古移設だけだ。一方で、「日米安保条約に理解を示す」というのは翁長氏の常套(じょうとう)句だが、どう理解を示すのか明言していない。そこに踏み込めば支持基盤の革新勢力との間に亀裂が生じるからだ。辺野古移設以外で抑止力維持と負担軽減を両立させる代替案も未検討だ。菅氏は初会談でこれらの論点を確認した。それが戦略転換への布石となる。

 政府高官は「辺野古に造る、造らせないという一点に矮小化(わいしょうか)されている」と指摘する。そうではなく、より広い視点で辺野古移設の意義を国民に訴え、沖縄県民の理解も求める姿勢を強める-。それが菅氏の戦略転換の方向性だ。翁長氏も「日本の安全保障は国民全体で考えてほしい」と主張してきた手前、菅氏の戦略変更にも応じざるを得ない。「本土に負担を分かち合ってもらうための世論喚起は歓迎だ」と評価する県幹部もいる。

 首相訪米前の政府事情

 安倍首相は26日から訪米し、バラク・オバマ大統領(53)と会談する。首相は強固な日米同盟をアピールし、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺などで挑発を続ける中国や北朝鮮を牽制(けんせい)したい考えだ。

 だが、昨年12月に知事に就任した翁長氏との会談が行われないままでは、米政府に辺野古移設が頓挫する危惧を抱かせる可能性がある。対米公約が国内事情でひっくり返されれば、安全保障上の欠陥を招きかねない。首脳会談を前に翁長氏と会談し、政府として関係修復に乗り出す姿勢を見せることは不可欠だった。4日の西普天間住宅地区(宜野湾市)の返還式に合わせて会談を設定したのはこうした事情によるところが大きい。

 とはいえ、翁長氏は岩礁破砕許可の取り消しなどで移設を阻止する構えを崩していない。7月には埋め立て承認に関する有識者委員会の報告書が提出され、翁長氏が承認の撤回に踏み切れば対立は再び先鋭化する。7月に辺野古の埋め立て工事が始まれば、反対派の抗議活動は激しくなる。こうした事態を避けられるかどうかは、ひとえに菅、翁長両氏の協議の行方にかかっている。(SANKEI EXPRESS

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