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【ソーシャル・イノベーションの現場から】「周囲を巻き込んで」 子育てと仕事の両立 先輩ママがアドバイス

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【ソーシャル・イノベーションの現場から】「周囲を巻き込んで」 子育てと仕事の両立 先輩ママがアドバイス

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「女性のためのリベラルアーツ講座」の初回に行われた「生き方~先輩たちの本音トークライブ~」。会場も対話に参加した=2015年4月23日(日本財団撮影)  すべての人は母親から生まれて来る。起源や時期の違いはあるが、「母の日」は世界中にある。日本の年間出生数は約103万人。子育てに不安のある都市での生活者が増え、晩婚・晩産化が進み、共働き・転勤・単身赴任と働く環境も厳しい。多くの母親たちは困ったときに頼れる人間関係が身近になく、産後に悩みを一人で抱え込んでしまうことになる。

 そんな「今」を生きる母親たちに、本当に必要ですぐに役立つ子育ての知恵を届けたいと、日本財団では4月23日から「女性のためのリベラルアーツ講座」を始めた。

 自分のできることから

 初回は「生き方~先輩たちの本音トークライブ~」を開催。ワークライフバランスの啓蒙(けいもう)や子育て支援に取り組んできた一般社団法人次世代社会研究機構の代表理事、西田陽光さんが総合コーディネーターを務め、クックパッドの編集長、草深由有子さん、ニューズピックス(NewsPicks)のチーフプロデューサー、久川桃子さんが参加した。

 西田さんは、「私の母は『子供たちがお世話になる社会への貢献は、子育て同様に大切なこと』と言って、婦人会活動や母子家庭の支援に日々奔走していた」と、自ら生い立ちを振り返った。その上で、「答えは外ではなく自分の中にある。まずは自分にできることをちょっとでもやってみることが大切」と、ママたちにエールを送った。

 草深さんは8歳児のママ。「妊娠したとき、みんなは復帰の話をするけれど、自分は職場に戻ってこられるのかなと思った。実際、出産後に仕事を休んでみると、いろいろとわかっているつもりだったのに、経験するのは初めてのことばかり。育児休暇中は、何も知らない自分と向き合う毎日だった」という。「誰ともしゃべらなかったり、友人にも声をかけづらかったりと、初めて『世の中とつながらないってこういうこと?』と思った」とも。

 夫の勧めで職場復帰を果たし、子育てとの両立が大変な中、半年後に編集長への昇格人事があった。「悩んでいる私に義母は『女性がリーダーとして認められるチャンスはそうない。応援するからやってみたら』と言ってくれた」という。「編集長になったとしてもできる範囲でしかやれないのだから、他人が自分をどう見ているのか気にしないようにした」と、大役を引き受けた。

 「日本人の母親は『人に迷惑をかけないようにしなさい』と言うのに対して、インド人の母親は『人に迷惑をかけられても許せる人になりなさい』と言う。この話を聞いて、心の余裕が大切だと思った。迷惑をかけることを前提に、許し合えるような世の中になれば」と、草深さんは結んだ。

 前向きに発想切り替え

 久川さんは、8歳の双子を含む小学生3人のママ。「育児休業から復帰後の時短勤務時代には、自分なりの視点で、自分にしかできないこと、他の人がやりたがらないことに手を挙げて自分の居場所を作った」と、これまでのキャリアを振り返った。その上で、「どれだけ自分が抱え込みすぎないようにするかが重要。雑誌や育児書では答えは見つからない。子育ては一般化できないものなので、『どうやったら楽ができるんだろう』と考えた」と、アドバイスを送る。

 「夫が小1だったときに義理の父が亡くなり、義理の母は専業主婦から突然、働かなくてはならなくなった。その経験から『女性が経済力を持つことが大切』と考え応援してくれている」という。

 また「最初の出産、育休から復帰して、ブレーキとアクセルのかけかたが分かった。でも、2回目の妊娠は双子で頭が真っ白に。双子だから『一人ではできません』と言って周囲の人たちを巻き込むしかなかった」と、協力者の大切さを強調した。

 久川さんの座右の銘は「生きることは食べること」。「時間かけて料理をしても、家族はあっという間に食べてしまい、自分が片づけをする日々にいらだったこともあった」という。しかし、「ママが食べたいから作った。子供たちも食べたいものがあるなら自分で作れるようになりなさい」と、発想を切り替えることで前向きになれたという。

 自分に合った環境を自ら切り開いてきた先輩女性たちの言葉は、どれも説得力がある。きっと奮闘中のママたちを勇気付けたに違いない。(日本財団 ママの笑顔を増やすプロジェクト 森啓子/SANKEI EXPRESS

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