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こんなにも楽しい時代劇ってあるんだな 映画「駆込み女と駆出し男」 戸田恵梨香さんインタビュー
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「思い立ったら行動に移そう」。そんな生き方を大事にしてきた戸田恵梨香さん=2015年5月16日、東京都目黒区(小野淳一撮影) 勇気を出して人生の新たなステップへ踏み出すべきかと逡巡(しゅんじゅん)している若者たちにすれば、原田眞人監督(65)の時代劇「駆込み女と駆出し男」は示唆に富んだ内容となったに違いない。作家、井上ひさし(1934~2010年)の「東慶寺花だより」を原案とした本作は、離縁を求めて江戸幕府公認の縁切寺「東慶寺」に駆け込む女たちの苛烈な生き様が活写されている。
ヒロインの駆け込み女を熱演した戸田恵梨香(26)は「女性たちの強さや弱さ、そして彼女たちの人生の季節を感じることができました。また、時代劇というと、どこか堅いイメージを持っていましたが、こんなにも楽しい時代劇があるんだな、とびっくりしました」と思いがけない出会いを喜んだ。
鎌倉・東慶寺。寺に駆け込む女たちは御用宿「柏屋」で寺側による聞き取り調査を受けることになる。柏屋に居候する戯作者志望の若者で、駆け出しの医者でもある信次郎(大泉洋)は、柏屋の主人、源兵衛(樹木希林)とともに、駆け込み女たちの人生の新たな出発を手助けしてきた。ある日、働き者で腕もたつ鉄練りのじょご(戸田)が夫の暴力に堪えかねて、東慶寺への道すがら知り合ったワケあり女、お吟(満島ひかり)とともに、命からがら寺へ逃げ込み…。
妻に三下り半を突きつけられた男が東慶寺にやってくれば、戦闘も辞さないのがじょごだ。「監督に初めて会ったとき、まず『腕を太くしてほしい』と言われました。じょごは鉄練りだし、アクションも必要だったからです。こんなガリガリの私によく言ったな、と最初は思いましたよ」。戸田はダンベルを持ったり、ベンチプレスを繰り返し、腕を太くしようと努力したものの、逆に筋肉が引き締まってしまい、かえって細くなった感があるという。殺陣に関しては「スタントマンたちがつけてくれる稽古を一生懸命に練習しました」。
物語の終盤、東慶寺を後にすることになったじょごは、恋仲となった信次郎に対し、「江戸に出なければ私はあなたと一緒になれない」と告げる。そろそろ駆け出しを卒業し、江戸に出てプロの仕事をしなさいと、臆病風に吹かれる信次郎の背中を押したのだ。「私は『やってみないと分からない』という考えなんですよ。何かやりたいなと思ったら行動に移すべきだと思います。最初の一歩は怖いかもしれないけれど、やってみると道が開ける。かつて東京に出てきた私が今、いろんな作品に出演させていただいた中で感じたんですよね。じょごのように背中を押せる人は貴重で、私の場合はそれが父親だったんです」。5月16日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:小野淳一/SANKEI EXPRESS)
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