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アクセサリーから総合ブランドへ CHAN LUU
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トレンドの白を生かした今年らしいスタイル。Vネックの光沢のあるブラウス(1万3000円)とマキシスカート(7万3000円)。展開は秋以降の予定。(チャン_ルー_ジャパン提供)
革ひもに天然石のビーズなどを編み込んだ「ラップ ブレスレット」が大人気の米CHAN LUU(チャン ルー)が、総合ライフスタイルブランドとして再スタートを切った。日本法人の組織改編に伴うもので、陶器やファブリックなど生活用品全般の取り扱いを日本で開始、米国で展開しているアパレルも順次紹介していく。来日した創業者でデザイナーのチャン・ルーさんは「私はボヘミアン(自由人)。世界中を旅して得たインスピレーションが源」と魅力を話している。
チャンさんはベトナム出身の米国人。ボストン大学で経営学を学ぶために1972年に渡米。ロサンゼルスへ移りファッションの学位を取得した後、欧州などから買い付けた洋服やアクセサリーを扱うブティックをオープン。96年にアクセサリーのデザインを始めたことからチャン ルーのブランドが生まれた。
ラップ ブレスレットがハリウッドのセレブリティーらに爆発的な人気を呼んだ。魅力は重ねづけ(レイヤード)で自分なりのおしゃれ(パーソナライズ)を楽しめる点にある。「巻き方次第で、ナチュラルにもエッジーにも表情を変えられる。ハンドメードの温かさも支持された」とチャンさん。
日本には2004年に上陸、多くの芸能人が愛用したことで知名度が高まり人気が沸騰した。その半面、一時は劣悪な模造品が出回った。いまは専属弁護士による徹底したチェックで、未然に防げているという。
昨年秋に国内の投資ファンドの出資を得て、日本法人チャン ルー ジャパン(東京)が発足。「日本は米国に次ぐ大きな市場。もっと店を出したい」(チャンさん)とてこ入れを考えたためで、この組織改編を契機に日本発の生活用品を開発。チャンさん自ら足を運んだ栃木県の陶器市で、益子焼に魅せられコラボレーションした商品を開発。国産の帆布を使ったバッグ、上質の素材を使ったファブリックなども、日本で扱いを始めた。
米国ですでに展開しているアパレルも、日本での本格展開を開始する。スカートやセーター、カーディガン、ショールといったアイテムは、体を締め付けない着心地の良さとナチュラルな色使いが特徴。チャン ルーのアクセサリーと合わせると、魅力が引き立つ仕立てだ。ブレスレットのほかにもブランドの精神を伝えるアイテムの数々を順次、国内の百貨店などで展開していく計画で、直営店の出店も計画している。
東京・伊勢丹新宿本店は1日、チャン ルーのショップを大幅にリニューアルした。初夏に向けて青や白を基調にした新作を豊富に取りそろえた。ラップ ブレスレットに、同じくビーズを敷きつめたシルバーの地金バングルなどが中心で、価格帯は9000~4万円程度。客層は20~30代の女性が中心で男性の姿も目立つ。「何点かまとめ買いして重ねづけを楽しむ方も多いです」とチャン ルー広報担当者は言う。
ブランドの背景に流れるのは、常に世界中を旅して職人たちとの出会いを心がけるチャンさんの、「ボヘミアン」としてのライフスタイルだ。日本にも頻繁に訪れ地方を回っている。「自宅があるカリフォルニアの開放感と、私のフィルターを通した異文化の融合が特徴かしら。職人の技によるハンドクラフトのきめ細かさと温かさ、自由でフェミニンな心地よさを味わってもらえたら」とニッコリ。
指には大きなダイヤの指輪が光る。「ベトナムを出るときに母が持たせてくれたお守りなの。何か困ったことがあったら売ってお金にしなさいと」。壮絶な経験をしてきたであろう人生を少しも感じさせない、しなやかで自然体の生き方がブランドの精神に息づいている。(藤沢志穂子、写真も/SANKEI EXPRESS)
アクセサリーは伊勢丹新宿本店など、全国の有名百貨店やセレクトショップで取り扱いあり。アパレル、生活用品に関する問い合わせはCHAN LUU JAPAN(チャン ルー ジャパン)(電)03・6455・4707まで。www.chanluu.jp/
※価格は税別です。