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自分なりのコーディネート楽しんで 他ブランドのアイテムともしっくり BANANA REPUBLIC
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米国発のグローバルなファッションブランド「バナナ・リパブリック」が新クリエーティブ・ディレクター、マリッサ・ウェッブの初のコレクションを4月上旬から展開している。生まれ変わった「バナリパ」はクールでモダンな中にシックを兼ね備え、かつエフォートレス(effortless=肩の凝らない心地よさ)という優れもの。その懐の深さは、さまざまなコーディネートを可能にする。根底には、ブランド創業時の精神「サファリ&トラベル」が息づいている。
東京・六本木ヒルズの六本木ヒルズ店に入ると、鮮やかなマスタードイエローのワンピースにカーキ色のジャケットを羽織ったコーディネートが出迎えてくれる。マリッサ自身も好きなカーキ色を使ったアイテムは、以前のバナリパよりこなれた印象がある。ワンピースは、フレアのスカートと背中を少し開けてみることで上品な色気を演出。いっぽうでマスタード色は、華やかながら派手すぎない落ち着きがある。
バナナ・リパブリックは1978年にカリフォルニア州サンフランシスコでジーグラー夫妻が創業。当時は軍の流出品などを使ったサファリ風ファッションを扱っていた。83年に米衣料大手GAPの傘下に入り、モダンアメリカンスタイルに転換。何人かのクリエーティブ・デザイナーを経て、2014年4月にマリッサが就任した。
マリッサはポロジーンズやクラブモナコなどで経験を積んだ後、J・クルーのデザイナーを10年にわたって務め、11年には自身のブランドも立ち上げた実力派。カジュアル衣料のDNAを持ち、バナリパの世界観を生かせる点を見込まれての就任。今年2月のニューヨーク・ファションウィークで初めてコレクションを発表した。
展開中の15年春夏コレクションでは、マリッサ自身が好きだという米ロングアイランド州イースト・ハンプトンの空気感が反映されている。大物セレブリティも集まるリゾート地。モダンとクラシカルが同居し、農家の軒先では上質な食べ物が提供される。リラックス感の漂うファッションで集う人々は開放的で自由なライフスタイルを送っている。
マリッサの愛する世界観は六本木店にもあふれている。黒を基調にした壁面には“Self Confidence is the Best Outfit(自信をつけることが一番のおしゃれ)”“Find your Adventure(あなた自身の冒険を見つけて)”など、マリッサがインスピレーションを受けたフレーズが並ぶ。
提案したいのはコーディネートだ。六本木店は1階がウィメンズ、2階がメンズ。アパレルからバッグや帽子、靴、アクセサリーなどバナリパだけで全身を一式そろえられるが、一部を他のブランドのアイテムに替えてもしっくりくる不思議な魅力がある。
メーンの顧客層は20~40歳代だが、ティーンエージャーが東京・渋谷で購入したかわいくて安いアイテムを一部あわせても、60歳代の年配層が上質なものをあわせても大丈夫。自分なりのコーディネートを老若男女が楽しんでもらうことを提案している。
実は米国、カナダの北米以外の初出店が日本で、今年で上陸10周年、05年9月に東京・銀座と六本木でほぼ同時にオープンした。現在では国内46店、アジアや欧州など世界で約700店を構えている。(文:藤沢志穂子/撮影:寺河内美奈/SANKEI E XPRESS)
※価格は税込みです。