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グルメの町 ドイツのダイデスハイムで和食旋風 青木冨美子
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和食レストラン「FUMI」の看板メニューとゼクト「ピノ・ブリュット2009」=2015年4月29日(青木冨美子さん撮影)
南ドイツ・ファルツ地方にあるダイデスハイムはワインと観光の町として知られています。ドイツ在住の日本人醸造家、徳岡史子さんは、この地に自分の名を冠した和食レストラン『FUMI』をオープンさせました。コンセプトは“ドイツワインに合わせた和食との融合”です。
開店から1年半が過ぎました。受け入れられるまでには時間がかかったそうですが、正統派の和食が食べられるという口コミや、地元のテレビ局の取材や媒体効果で、グルメの町に和食が浸透しつつあります。
FUMIは後継者がなくて閉鎖していた1879年創業の名門『ヨーゼフ・ビファー醸造所』(www.josef-biffar.de/)のなかに併設されています。2010年から2年かけて醸造所を改装した彼女は、13年、ワイナリーの権利と名前を取得し、再スタートさせることに成功します。
生産しているワインの8割はゼクト(発泡性ワイン)です。
「日本人からみれば単なる『おふくろの味』ですが、ドイツ人に食べてほしいのです。私にしかできないこと、それはドイツのワイン文化と日本の食文化を一つにし、それを一般化させることです」と徳岡さん。
19年前に渡独し、ドイツが第二の故郷になっている彼女だけに、夢の実現は確実だと信じています。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS)