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ロワールの際立つ泡もの 「カドリーユ」 青木冨美子

 007のシャンパンメゾン『ボランジェ』社は、シャンパンの『アヤラ』やブルゴーニュの『シャンソン』、ロワールの『ラングロワ・シャトー』を傘下にしています。

 今回紹介するラングロワ・シャトーは1885年創業の歴史あるメゾンで、馬術で有名なソミュール地区にあります。秀逸な発泡性ワインと非発泡性ワインの生産者ですが、1973年に買収され、ボランジェグループの一員になりました。

 このワイナリーが造るトップレンジのクレマン・ド・ロワール“カドリーユ”エクストラ・ブリュット2007=写真奥=は際立つスパークリングワインです。

 クレマン・ド・ロワールとはロワール地方のスパークリングで、製法はシャンパンと同じ瓶内二次発酵。“カドリーユ”は4人の騎手と馬によるパレードのことなので、ラベルには4頭の馬が描かれています。

 加えて、カドリーユは「4」という数字にこだわっています。使用ブドウは4つの異なるテロワールを反映した4品種(シュナン・ブラン、シャルドネ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール)。主要品種のシュナン・ブランには生き生きした酸と蜜のような香りがあるので、味わいは繊細で豊潤。最低4年間の熟成、1リットル中4グラムの甘辛度が切れの良い印象を与えてくれます。

 日本の食材と共通項の多いロワール地方。ワインは一般的に和食との相性が良く、プレスランチで供出された春野菜のおひたしやアスパラガスと白魚の黄身酢がけ、炊き込みご飯やみそ汁=写真手前=ともうまく寄り添っていたのが印象的でした。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS

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