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いろんな色に染められる自分に Superfly
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シンガー・ソングライター、Superfly。身長153センチと小柄ながら、ジャニス・ジョップリンのバンドメンバーに絶されたほどの歌唱力を誇る=2015年5月15日(伊藤香織さん撮影、提供写真) Superflyの約3年ぶりのアルバム『WHITE』は、これまでのひたすら前に進むようなイメージを一新する内容だ。
「前作の『Force』が自分自身を見詰め倒すようなアルバムになって、“今の自分ができることはほとんどやり切った”と思うくらい私の中が空っぽになってしまったんです。それでいろんな人から刺激されて新しい自分を見つけようと思い、その象徴的なキーワードが“いろんな色に染められる真っ白な自分の心でありたい”というホワイトという色でした」
デビュー直前に取材した頃は、愛媛県の素朴な環境の中で育ったせいか、内気でほんわかとした雰囲気を醸し出していたSuperflyこと越智志帆。しかし、突出した歌唱力とルックスからすぐに人気が出て、常にパワフルな歌で大きな会場を満たすほど急成長した。
「今でも普段は自己主張するより、人の話を聞いている方が好きな性格。でも、Superflyが2人組から1人になった時に、ソングライターに徹することにした多保(孝一)君の曲を良く聞こえさせるためには、“私がもっと意思のあるシンガーにならなきゃ”と思ってやってきました」
求められる姿と本来の性格との葛藤を長い間抱えていたが、昨年1月に「White Light」ができたことをきっかけに『WHITE』の制作に取り掛かった。“私以外の登場人物になりたい”と、なじみのあるBONNIE PINKやJETのメンバーだったクリス・セスタ-、中田裕二、同世代のHeavenstampといった面々に自由に詞曲を書いてほしいと依頼した。
「お客さんを置き去りにして変化するのはダメという思いがあって、“楽しいことをやってるじゃない!”って、ポジティブに驚かせたかった。私もスタッフも今までのSuperflyにどうしてもとらわれながらやってきたんですけど、今年に入ってLAでレコーディングしている頃に、開き直れたというか、前向きになれたんです」
自分が書かなかったタイプの曲を歌うことで、気付かされることも多い。
「『いつか私は歌をうたう』で、“あした私は歌うの”という歌詞があるんです。私は“あしたは必ず来る”とは言わなくて、今日を精いっぱい頑張るタイプなんですけど、このメロディーから“あしたは来るんだ”って自然に言わせてもらえて、未来があるということを意識するようになりました」
男性目線で歌った「リビドーに告ぐ」、女性目線で歌った「色を剥がして」のような色気のある歌も。
「これまでは自分の中で“カッコ良くある”というのが大きいテーマだったので、女性特有のかわいらしい部分に偏らない中性的なイメージを心掛けていました。でも、いい年齢になってきたし、こういう歌にもチャレンジしました(笑)」
遊び心満点に一番振り切った「A・HA・HA」や、みんなでつながれるよう無国籍のお祭りをイメージした「極彩色ハートビート」のような曲もあり、一曲一曲に驚かされる。とはいえ一番注目されるのは、現在ヒット中の「Beautiful」だろう。
「アルバムの最後にTVドラマをきっかけに書いたんですけど、1年以上ぶりに自分で作詞しました。いろんな人と関わることで、逆に自分の個性が見えてきて、“どんな自分でも私なんだから、ネガティブな要素であっても与えられたものを愛していこう”と、自然に思えるようになった。これは自分のために書いた曲なんです」(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)