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小さなレストランで味わう「ニュアンス」 箱根「シェフズ ターブル」

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小さなレストランで味わう「ニュアンス」 箱根「シェフズ ターブル」

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中東料理から発想を得たというイカのポワレ。ひよこ豆のピュレには、「ほんの少しだけど」カレーのニュアンスも=2015年5月19日、神奈川県足柄下郡箱根町(塩塚夢撮影)  【食を楽しむ】

 神奈川県箱根町の高級外資系ホテル「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」にオープンした「シェフズ ターブル」。2013年7月からハイアットリージェンシー箱根の総料理長をつとめる金山康弘さん(43)が自ら腕をふるう完全予約制のレストランだ。席数はわずか12席。大型外資系ホテルの中にありながらプライベート感を演出するという珍しい試みで、シェフの活躍の場としても期待される。

 箱根きっての湯どころ、強羅に位置するハイアットリージェンシー箱根。「シェフズ ターブル」はその奥まった一角にある。ドアを開けると、まるで友人の別荘に招かれたかのような穏やかな空気が漂う。

 「キッチンとお客さまの距離がすごく近い。この規模だからこそできる料理をお客さまにお出しすることができて、とてもやりがいがありますね」と金山さん。金山さんは「銀座レカン」などのクラシックなフレンチで修業を積んだ後、渡仏。「ラ・アストランス」などで部門シェフを経験、シェフをつとめたパリ「ラ・ビガラード」では13年にミシュラン一つ星を獲得した。「ホテルの総料理長という立場ではありますが、フランスでイメージしていた『小さなレストラン』のような料理ができないかと考えていた」

 ちょうど、ハイアットホテルズと外資系ラグジュアリーホテルチェーンで日本人女性として初の総支配人をつとめる野口弘子さんも「もう一歩進んだ食の楽しみを提供したい」との構想を抱いていた。2人はディスカッションを繰り返し、「限られたお客さまに最高の料理を」とのコンセプトにたどりつく。もともとバーだったスペースを改装し、今年2月に「シェフズ ターブル」をオープンした。

 瞬間的な香りも

 ディナーコースは12品前後の構成で、「その日ベストの食材を」との思いからメニューは完全に日替わりだ。金山さんが最も大事にしていることは「ニュアンス」。たとえば「北海道産イカのポワレ、ヒヨコ豆のピュレ、トマト水、ミントオイル」は素朴で自然な盛りつけながら、口に含むとイカの香ばしさやトマトのうまみ、ミントの涼やかな香りが幾重にも重なりあい、奥行きと余韻をもたらす。「大規模なレストランでは、サーブまでの間に時間がかかったりして、こういった繊細なニュアンスを感じてもらいにくい部分がある。香りは瞬間的なものですから、お客さまとの距離が近いこの規模ならではの料理だと思います」。

 ちなみに、ミントオイルはグレープシードオイルをベースにした自家製。「既製品もおいしいものがありますが、自分の料理と組み合わせたときに微妙なニュアンスを表現できない。手間はかかりますが、それぐらいしないと、見た目とのギャップは演出できないですね」

 自己表現の場として、「シェフズ ターブル」に可能性を感じているという。「小さなレストランは自由だけれど、スタッフに負担をかけてしまう面もある。いいものを作ろうと思えば、環境は大事ですから。ここでは、ホテルという安定した環境ながら、小さなレストランで学んできたものを出し切れる。こういった形が増えていくと、新たな才能もどんどん出てくるのではないでしょうか」

 オープンから3カ月、早くもリピーターも獲得。「このレストランならではの挑戦を続けていきたい」と意気込んでいる。(塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ「シェフズ ターブル」 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320。ディナーコースは1万8000円(税・サービス料13%別)。利用日の1週間前までに要予約。(電)0460・82・2000(ホテル代表)。

 ※5月29日にハイアット リージェンシー 東京「キュイジーヌ〔s〕 ミッシェル・トロワグロ」にてギヨーム・ブラカヴァル氏とのコラボレーションディナー(1人税サ込2万3760円)を開催。問い合わせ・予約は(電)03・3348・1234(ホテル代表)。

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