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本場の知識でタイ料理の魅力発見 マンダリン オリエンタル バンコク
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香菜や唐辛子などタイ料理に欠かせない香辛料やハーブを説明するナライン・キアッティヨチャロエンさん。上方に設置された大きな鏡で手元もはっきりわかる=2015年4月16日、タイ・首都バンコク(佐野領撮影)
タイの首都バンコクを南北に流れるチャオプラヤ川のほとりに建ち、多くの著名な作家や俳優たちに愛されてきた歴史を持つホテル「マンダリン オリエンタル バンコク」は、いまもトップクラスのサービスで世界中にファンを持つ。そんなアジア有数の老舗には、旅行者一人一人にあった滞在の楽しみ方があるはずだが、その中から今回はタイ料理の魅力を発見できる料理教室を取り上げてみたい。日本でもすっかり定着したタイ料理。その本場であるバンコクで、最初に開設された伝統ある料理教室の門をたたいた。
料理教室「オリエンタル タイ クッキング スクール」は、ホテルからチャオプラヤ川をボートで渡った対岸にある専用施設で毎日開かれている。1回につき3時間あまりの講習で、前菜からデザートまで4種類の料理を習い、昼食として試食する。曜日ごとに料理の種類が変わるので、7日間講習を受ければ、合計28種類のタイ料理を習えるプログラムだ。
試してみたのは、カニ肉たっぷりの揚げ春巻き▽エビ風味のタイ風チャーハン▽タイのショウガ「ガランガ」を使ったチキンのココナツミルクスープ「トムカーガイ」▽カボチャの蒸しプディング-のコースメニュー。タイ料理のポピュラーな組み合わせと聞いた。
まずは座学からスタート。インストラクターのナライン・キアッティヨチャロエンさん(54)が実演しながら、笑顔で調理のポイントを教えてくれる。タイ料理独特の風味を支える調味料やスパイス、ハーブの使い方にはいろいろな発見がある。
強い香りを放つ香菜は、葉だけでなく、根も大切に使う。よく水洗いして、みじん切りにした根は、タイ風チャーハンや揚げ春巻きに独特のうまみを加えてくれる。辛みを加える唐辛子は小さい種類ほど辛みが強く、料理によって巧みに使い分ける。砂糖はココナツヤシの樹液から作るパームシュガーを使うと、加熱したときにコクがでる-といった具合だ。
実物の食材を味見しながら、こうしたタイ料理の基礎知識を身につけられるのが楽しい。小売店の店頭で探しやすいように、食材のパッケージを教えてくれる気配りもある。
続いて、調理室に移ると、すでに下ごしらえされた食材が並べられている。あとはインストラクターの指示に従って、調理するだけ。食材はあらかじめレシピ通りに計量されているので、味付けに失敗する恐れはない。春巻きの巻き方が崩れてしまったときは、揚げる前にスタッフが整えてくれる。試食してみると、予想以上に本格的なタイ料理に仕上がっていた。
作家、サマセット・モーム(1874~1965年)、女優、オードリー・ヘプバーン(1929~93年)…。このホテルを愛した著名人たちの面影はホテルのあちこちに刻まれている。その風情を楽しみたいのなら、今年春にリニューアルオープンしたザ・バンブーバーを訪ねてみるといい。
ジャズバンドの生演奏でスタンダードナンバーが流れる中、世界的なコンテストで高い評価を受けてきたオリジナルカクテルのひとつ、「アバンギャルド」をオーダーした。スコッチの名門グレンフィディックが醸したヘンドリックス・ジンに冷やしたカモミールティーを加え、薄切りのキュウリで彩りを添えたカクテルは、エキゾチックでありながらとても洗練された味わい。ゆったりと配置されたソファに深々と腰掛けると、名作映画のワンシーンに迷い込んだような気分になり、極上の時間が過ぎていく。
チャオプラヤ川に面した屋外レストラン、ザ・リバーサイド・テラスは宿泊客の多くが足を運ぶスポットだ。朝食のときは爽やかな風に吹かれながら、多国籍な料理が並んだバイキングに手を伸ばし、その日のプランを練る。夕食のバーベキューには欧米風のステーキや日本の鉄板焼きのほか、インドのタンドリー料理やレバノン料理のメッゼなども並び、食文化を通じてアジアの十字路に位置するバンコクの面白さを体感できる。
老舗ホテルの魅力を支えるのは、ゲスト一人一人の顔をすぐに覚えてしまうスタッフたち。滞在期間が短くてもゲストの好みに応じたサービスを心がけてくれる。リピーターが多い最大の理由は、やはり「おもてなしの心」にあるようだ。
≪お好みでサービス追加≫
日本からバンコクへのフライト時間はおよそ6時間50分。エアアジアは成田空港から毎日2便、関西空港から毎日1便を運航している。料金は6月の場合、成田空港、関西空港ともに片道1万4900円から。これに必要なサービスに応じて追加料金をプラスしていく。例えば、子供を制限した静かな座席(クワイエットゾーン)を希望するなら2800円をプラスする。機内食も追加料金が必要になる。
追加サービスはWEBサイト上で選んで申し込む。料金設定は明解で、慣れてみると合理的な仕組みだ。HP:www.airasia.com