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コミュニケーション能力には自信あり 映画「鏡の中の笑顔たち」 女優 夏菜さんインタビュー

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コミュニケーション能力には自信あり 映画「鏡の中の笑顔たち」 女優 夏菜さんインタビュー

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 こぼれ落ちそうなほど大きな瞳を全開にして、夏菜(なつな、26)は美容院のない世界など考えられないし、とても生きてはいけないと言い切った。「ひと月に3回は美容院に行きますね。髪形をどうこうしたいというよりも、気分を上げるのが目的なんですよ。イメージチェンジができるという感じです。私の中では、美容院で髪を切ることと、洋服を着替えることはとても似ているんですね。月3回となれば、もう趣味に近いかもしれません」

 新作映画で美容師役

 そんな彼女が札幌市を舞台にした青春映画「鏡の中の笑顔たち」(喜多一郎監督、公開中)でヒロインの美容師を務めた。高度な技術だけをことさらに追い求めるカリスマ美容師に対し、仕事をする喜びとは何かを気づかせる重要な役どころ。「気軽に人に話しかけ、相手の話を聞くというコミュニケーション能力には自信がありました。好きなだけ美容院に行っては、他のお客さんがどうやって美容師さんに話しかけるのかな?と、私はよく観察していた方ですからね」。夏菜は出演の打診を素直に喜んだ。

 多くの芸能人が足を運ぶ東京の美容院で勤務する井上遼(白石隼也(しゅんや))。人気モデルを顧客に持ち、飛び抜けて腕も立つことから、業界で「カリスマ美容師」ともてはやされていた。だが、地味な雑務を徹底的に拒否し、横柄極まりない態度を取り続ける遼に対し、同僚たちの不満が爆発。オーナー(岡田浩暉(こうき))は遼に解雇を言い渡す。ほどなく自宅アパートが火事となり、路頭に迷った遼は故郷・札幌市へ戻り、地元の先輩(中尾明慶(あきよし))を頼って一時的に美容院で働きだす。ある日、店長の松野美幸(瀬古千裕)が、遼に対し、同僚の高橋まり(夏菜)と一緒に「訪問美容」の講習を受けるよう持ちかける。

 適度な距離感が大事

 いくら腕がよくて、店の内外での覚えがめでたい美容師だとしても、周囲に迷惑をかけ続けていいはずはない。遼に交際の申し込みをしてきた担当の人気モデルへのにべもない態度に関しても、もう少し違うものの言い方があってもいい。夏菜は「この映画はコミュニケーションの取り方を考えさせてくれます。私自身は美容師さんからたくさん話しかけられるのは嫌な方なんです。ころ合いを見て『あそこの店の何がおいしいですよ!』とか、世間話ができるくらいの距離感を保ってくれる美容師さんが好きですね。そんな会話の間もしっかりハサミを持つ手が動いていて…」。

 まりと夏菜の内面は似ている部分がたくさんあったそうだ。「準備稿ができた段階で、まりは優しい女の子だったんです。脚本も執筆した監督は出演者たちと役作りに関する話し合いを持った後、私に最終稿を渡してくれました。準備稿よりも性格が強めの女の子が出来上がっていました。頑張っているんだけれど、実はネガティブな考え方をしてしまい、いつも『うまくいかないなあ、うまくいかないなあ』と思っている子。根の部分が、元気だけど、元気に見せているだけだったりするんです。私とまりは根本的な部分が似ているから、極端に言えば、私のまま演技をすることができました」

 今のイメージ壊していきたい

 とはいうものの、なかなかのチャレンジャーだ。NHKの連続テレビ小説「純と愛」(2012~13年)をはじめ、ここ2、3年の映画、舞台、テレビなどへの精力的な出演は論をまたないが、本作への出演が決まったときに抱いた率直な気持ちが旺盛なチャレンジ精神をよく物語っている。「『私が美容師かー』という感じでしたよね。手先がまりほど器用な方ではないので。髪の毛を切るシーンがあったら、どうしよう…みたいな気持ちが大きかったですよ。でもなんか面白そう」。なんとハサミの使い方を学んだのは撮影当日だったそうで、「まりはコミュニケーション能力で勝負するタイプだから大丈夫だろう」と、夏菜は大船に乗った気持ちでいた。作中、髪の毛を切る場面は1シーンだけあり、そつなくこなしてしまったという。

 仕事を通して、他人ばかりか、自分も笑顔になれることの大切さを訴えた本作だが、一体、夏菜の仕事観とはどんなものなのだろう。「記憶がなくなるタイプなんです。つまり、一度やった仕事をいちいち覚えていないんですよ。芝居をしている瞬間は、他のことは考えなくていい、夢中になれる時間なんですね。生き急いでいるというか、すごいせっかちなんですよね」。では、どんな夢を持っているのか。「私って、元気はつらつで、何事にも猪突(ちょとつ)猛進していくイメージを持たれているようです。だから、まったく逆のイメージを持たれるような役に挑戦して、皆さんを驚かせてみたいです。それが猟奇殺人鬼なのか、寡黙なのか、冷静沈着なタイプなのか…。今の夏菜のイメージをいつも壊していきたいと考えています」(文:高橋天地(たかくに)/撮影:福島範和/SANKEI EXPRESS

 ■なつな 1989年5月23日、埼玉県生まれ。2006年、テレビドラマ「ガチバカ!」(TBS)でデビュー。主な映画出演作は、11年「GANTZ」「GANTZ PERFECT ANSWER」、13年「監禁探偵」「ルパン三世VS名探偵コナン」、14年「クローバー」など。テレビドラマでは、NHK連続テレビ小説「純と愛」で主演。舞台、MC、バラエティー番組など幅広い分野で活躍。

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