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科学
コーヒーと緑茶の有用性 大和田潔
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秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)
国立がん研究センターの予防研究グループは、「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」という結果を報告しました。コーヒーを毎日3杯から4杯飲む人の死亡率が最も低く、5杯以上飲むと死亡率が上昇するという結果でした。
がん死亡率はあまり変わりませんでしたが、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患の死亡率が低下していました。特に心疾患においては、1日に4杯までに抑えれば36%の死亡率低下が見込めるとのことでした。
動脈が詰まってしまって、その先の組織が壊死(えし)する状態を梗塞(こうそく)と呼びます。動脈が詰まることで、心臓の組織が壊死する病気が心筋梗塞、脳の組織が壊死する病気が脳梗塞です。
動脈は、内膜、中膜、外膜からなる三層構造になっています。中膜は伸び縮みする平滑筋という筋肉でできていて、動脈の太さを決めています。外膜は薄く強い膜で、動脈の構造を支えています。
一番内側の内膜は、内皮細胞という細胞からできています。血液は、血管の中を流れているときはサラサラに流れているけれども、傷口から漏れだすとかたまります。血管の中で、血液が流れ続けることができるのは、内皮細胞と血液の相互作用によります。
コーヒーが心疾患や脳血管疾患による死亡率を低下させたのは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が血糖値を改善させたり、動脈の内皮細胞の炎症を抑えて健やかに保ったりすることによるのではないか、と説明されています。
またカフェインの持つ気管支を広げる作用によって呼吸機能が改善して、呼吸器疾患の死亡率を下げたのではないかと言われています。インスタントコーヒーでも、ドリップコーヒーでも気管支を広げる作用にあまり違いはないようです。
緑茶にも心疾患死のリスクを下げる作用がありました。男性の脳血管疾患、呼吸器疾患のリスクを下げる作用も。残念ながら、がんによる死亡率には差がありませんでした。
コーヒーは、1日に5杯以上飲むとリスクが上昇し、心疾患については全く飲まない人よりもリスクが増えてしまいます。「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」です。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)