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カフェイン中毒の危険性 大和田潔

 「ドキドキして、胸が痛くて苦しい」とか、「手が震えて怖い」といった訴えを聞くことが増えました。先日いらっしゃった患者さんは、「吐き気が止まらないので救急外来を受診しました。吐き気は何とかおさまったけれども、動悸(どうき)がつづいていて…」と言ってクリニックを訪れました。

 心電図を取ってみると、脈拍数が多く、時おり不整脈もまじっていました。生活について詳しくお話をうかがってみました。睡眠時間が少なくなってしまい、眠気を感じることが多くなったので、高濃度のカフェイン飲料とエナジードリンクを常用していたとのことです。

 救急外来に行った日は、友人からもらったカフェインのタブレットを追加で飲んだとのことでした。カフェイン飲料は150ミリグラム、エナジードリンクは80ミリグラムほどのカフェインが含まれています。気をつけないと、すぐに200~300ミリグラムのカフェイン量になってしまいます。コーヒー7、8杯分に相当します。

 カフェインを300ミリグラム(0.3グラム)ほどを1時間以内に摂取すると副作用があらわれます。致死量は5~10グラムほどなので安全域は広いものの、カフェイン飲料やサプリメントを複数回摂取すると中毒症状をきたす量に達します。

 とくに不整脈は、命に直結する中毒症状です。規則正しく脈を刻んでいる心臓のリズムが崩れると、血液を正常に送りだせなくなるだけでなく、心臓自体がリズムを再び刻むことができずに心停止することがあります。

 720ミリリットルのエナジードリンクを2本飲んだ少女が中毒死した報道も記憶に新しいものです。摂取したカフェインは480ミリグラムに達していて、心停止したとのことです(産経ニュース5月6日)。

 中毒症状を出さずにカフェインを摂取できる量(カフェイン耐性)は、人によって異なります。ある人が大丈夫だからといって、自分が大丈夫とは限りません。冒頭の患者さんは、友人からもらったカフェインのタブレットで中毒症状をきたしました。

 カフェインは、一時的に疲れを感じなくさせるものであって、疲れを取るものではありません。体をいたわる生活を心がけるようにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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