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ドローンのように 人間も制御される ミューズ

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ドローンのように 人間も制御される ミューズ

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英デヴォン州出身の3ピースバンド、ミューズ。(写真左から)ドミニク・ハワード(D)、マシュー・ベラミー(Vo,Key,G)、クリス・ウォルステンホルム(B)=2015年2月26日(DANNY_CLINCHさん撮影、提供写真)  アルバムリリース前からメッセージ性の強いリリックビデオ「サイコ」を公開して話題を集めていたミューズが、最新アルバム「ドローンズ」を発表した。映画化されてもおかしくないようなストーリーを持つコンセプトアルバムだが、音楽面でも1980年代にAC/DCやデフ・レパードの黄金期を築いた御大マット・ラングを共同プロデューサーに迎え、3ピースバンドの醍醐味(だいごみ)にあふれたロックサウンドを展開している。フロントマンのマシュー・ベラミーが語った。

 テクノロジーの危険性

 「アートワークはマット・マハーアンという偉大なアーティストと一緒に作った。この裏にあるメッセージは、“ドローンと同じように、人間もまた簡単にコントロールできるものだ”ということ。それがドローンのパイロットが軍隊をコントロールしているイメージで表現されている。そして頭の代わりにコントローラーがついていて、それをまた別の人の手が操作しているんだ」

 今話題のドローンといえば無人航空機を思い浮かべるが、「僕が考えるドローンとは、脈絡のない精神病質的な行為を可能にする比喩上のサイコパスを意味する」と説明する。

 「ドローンを使って人間を次々とドローン化していくドローンたちによって、その世界は営まれているという…。アルバムは希望の放棄と喪失に始まり、体制によって人間ドローンへと教化され、最後には圧制者から離脱するまでの一人の人間の旅路をたどっている」

 全12曲を通して、“テクノロジーの発展がいかに人間性に影響を与え、そこからサイコパスを作り上げてしまうのか”という危険性にも言及しているのだ。

 「みんなが一番驚くのは最後の表題曲かもしれない。ルネサンス期のクラシック音楽である4声のアカペラで、僕は巻き添えで死んでいった人々の亡霊のように歌おうとしている。彼らはドローンに殺されて消息を知られることもないうえに、正義を知ることも誰がボタンを押したのかも決して知ることがない。こういう亡霊がどこかにいて、僕たちをつかまえに来ようとしていると暗示するような、頭から離れられないような曲にしたんだ」

 本作のツアーでは、観客の頭上にドローンを飛ばすことを計画中という。今年のフジロックの会場でそれが実現するかどうかも、楽しみの一つになった。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS

 ■MUSE 英デヴォン州出身の3ピースバンド。1999年にメジャーデビューし、これまでグラミー賞をはじめ多くの音楽賞を受賞。強靱(きょうじん)なロックサウンドと壮大なステージセットで展開するライブパフォーマンスも大きな魅力の一つ。

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