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特別な時間を楽しむワンピース FLICKA
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デザイナーの金島千華さん自らが着るお気に入りのビジュー・カラードレスはTHE_DRESS_BY_FLICKA(4万9000円)。取り外しのできるビジュー付の襟と、ウエスト部分にランダムに入ったドレープが特徴=2015年6月12日、東京都中央区銀座(藤沢志穂子撮影)
ワンピースを着せてもらえるのは特別な日、少し背伸びしたようでうれしかった少女時代の思い出を忘れないでいたい。そんな願いがこもっているのが「FLICKA(フリッカ)」だ。デザイナーの金島千華さん(36)が2007年に設立、数年で全国の主要ショップが取り扱う人気ブランドとなった。「自分が着たい服」を追求する金島さんは、自身のライフスタイルと時代の変化に沿って、ブランドを進化させようとしている。
東京・銀座のセレクトショップ「トゥモローランド 銀座店」では、6月の結婚式シーズンの前、フリッカのワンピースが飛ぶように売れた。近隣の会社に勤める20~40代の女性が、パーティー用に購入していったようだ。
ワンピースは赤や黒といった鮮やかな色使いで、ウエストは締め付けずにドレープを効かせ、袖はノースリーブではなく、二の腕を隠す長さを保って気になる体形をさりげなくカバー。ベージュやグレーに、トレンドの白のレースをのせるなど細部にもこだわる。「日本女性が憧れる『大人カワイイ』が人気の秘密。ラグジュアリーでも、目まぐるしい流行に左右されない普遍的な美しさがある」とスタッフは話す。
金島さんは高校時代に米国に留学、ファッション好きな母の影響もあって、卒業後はニューヨークの服飾専門学校で服作りを学ぶ。1枚でおしゃれな着こなしができるワンピースが大好きで、「自分でデザインして、人に喜んでもらいたい」と帰国後の07年春にフリッカを立ち上げた。
「ワンピースだけのブランド」をうたい文句に、単身で各方面に売り込みをかける。当時は単品のみのブランドはまだ珍しく、すぐ注目されて複数の有名店での取り扱いが決まる。
猪突(ちょとつ)猛進な行動力の背景には、ニューヨークで受けた刺激があった。「ニューヨーカーは自分でやりたいことがあって、それを極めようと追求している。私も自分のできることを見つけて人を幸せにしたい。だったら好きなワンピースを作ろうと思いました。お店に置いてもらえなければ着てもらえない。売り込みは必死でした」と笑う。
「フリッカ」とはスウェーデン語で「すてきな女の子」の意味。飛行機の中で見た映画に出てきた馬の名前にひらめきを感じて借用、ロゴマークにも馬をあしらった。こだわるのは日本人女性を美しく見せること。フリッカの服はどんな人が着てもスタイルを良く見せるパターン(型紙)やカッティングが施され、着る人の魅力を引き立てて「いつもと違う自分」にスイッチできるうれしさがある。
次第に人気が出て、顧客の求めに応じてトップスやパンツなども発表。ワンピースの原点に戻るために13年にフリッカの姉妹ブランドの扱いで「THE DRESS BY FLICKA(ザ ドレス バイ フリッカ)」を、15年にはジャージー素材なども使った「Easy and Chic FLICKA(イージー アンド シック フリッカ)」を、それぞれ立ち上げた。
「イージー」には金島さんが結婚、長男(1)を出産した後、子育てなどにより、以前と同じ生活のリズムで過ごすことが難しくなり、服装にも変化が出るようになった経験が生きている。忙しい。それでもすてきな装いをしたい。そこで着心地が良く、さまざまなシーンで活躍できるジャージー素材のワンピースを開発した。これまでのフリッカより価格が少し安いこともあり、人気が広がりつつある。
フリッカは現在、首都圏の有名百貨店やセレクトショップを中心に、オンラインでも取り扱いがある。金島さんは「自分のライフスタイルの成長に沿って服を作りたい」と、次のステップとして、ブランドの世界観をお客さまに伝えられるようなお店を作ることを目標にしている。(藤沢志穂子、写真も/SANKEI EXPRESS)
<商品に関する問い合わせ>
FLICKA INTERNATIONAL CO.,LTD(フリッカインターナショナル株式会社)(電)03・6416・7377 www.flickaonline.com <Instagramアカウント> flcika_official
※価格は税別です。