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かき氷頭痛 2つの説 大和田潔

 夏は鮮やかな色合いのかき氷がおいしい季節です。先月、TV局の方から「天然のかき氷だと、頭痛が起きにくいメカニズムを教えてください」という問い合わせがありました。面白い質問です。

 冷たいものを急いでかきこむと、のどに痛みを感じるだけでなく頭全体が痛くなることがあります。温度差が重要で、暑い日に冷たいものを急いで食べると強い頭痛が起きてきます。

 「かき氷頭痛」とか「アイスクリーム頭痛」と呼ばれます。海外でもこの現象はよく知られていて、“brain freeze”(脳がいてつく)と呼ばれています。

 頭部の痛みは、三叉(さんさ)神経と呼ばれる神経が脳に伝えます。のどの冷たさなど感覚の情報も、三叉神経を伝って脳に届きます。

 「冷たいものを急に食べることによる三叉神経の過剰な刺激が、脳の一時的な混乱を引き起こし、頭全体が痛いと感じるようになる」と説明されてきました。これを便宜的に、かき氷頭痛の「三叉神経説」とします。

 2012年に“Cerebral VascularBlood Flow Changes During ‘Brain Freeze’”(‘Brain Freeze’時の脳血流の変化)という論文が発表されました。それによると、冷たいものを食べた時の頭痛発生時には、脳血管が拡張していたとのこと。あたかも、脳血管が拡張して頭痛を引き起こす片頭痛発作に似た現象が観察されました。これを便宜的に、「脳血管拡張説」と呼びましょう。

 天然の氷は、水の中に含まれる空気が逃げながら、ゆっくり氷結していきます。そのため、透明で固い氷になります。また、人工の氷よりも少し温度が高いマイナス1度ぐらいで保存されるとのことです。薄く削るとフワッとした空気含有量の多いかき氷になります。天然氷のかき氷は、氷の温度が高めで空気含有量が多いため口の温度を下げにくいと考えられます。

 のどの急激な温度低下で引き起こされる「三叉神経説」や「脳血管拡張説」で説明される、かき氷頭痛。あらかじめ、水を飲んでのどを冷やしておくと予防できるとも言われています。見た目も涼しいかき氷を、夏の縁側でおしゃべりしながら食べるのも良いものです。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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