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科学
「睡眠時無呼吸」にご注意 大和田潔
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秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)
私が所属する東京医科歯科大学には「快眠センター」という機関があります。呼吸器内科と精神科の部門からなっています。不安が強いなど、精神的な面から睡眠が障害されることがあります。こういったときには、精神科の先生が支援してくれます。
一方、きちんと寝ているのに、睡眠中に呼吸が乱れてしまって起きてしまう「睡眠時無呼吸症候群」のこともあります。睡眠時無呼吸症候群は、英語で「Sleep Apnea Syndrome」というので、「SAS」とも呼ばれます。略称は、サザンオールスターズと同じです。最近では、自宅で行える簡易な検査をクリニックでもできるようになりました。SASが疑わしい場合は、呼吸器内科などで、より詳しい検査を行います。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が停止してしまう状態が断続的に起きるものです。寝ている途中で、突然息苦しくなるため睡眠が浅くなってしまったり、目が覚めてしまったりします。
人間は、ある程度の深い睡眠を継続する必要があります。脳に必要な睡眠がとれないために睡眠不足に陥ってしまった結果、昼間に避けられない眠気がやってきます。意識しないうちに、突然寝込んでしまい、意識が低下することもあります。
以前、睡眠時無呼吸症候群は、「まれなもの」といわれていました。ところが、2003年に山陽新幹線の運転士が、高速運転中に寝てしまい、岡山駅で緊急停車するトラブルが起きました。
鉄道の運転士だけでなく、バスやトラックの運転手などのSASによる事故が報告されています。日本では数百万人が罹患(りかん)しているといわれています。SASは、自覚症状に乏しい点が要注意です。
睡眠時無呼吸症候群は、決して肥満の人だけではなく、やせ形の人にも、女性にも起きていることが明らかになりました。肥満などで呼吸の経路が狭くなり起きるものを閉塞(へいそく)性睡眠時無呼吸症候群(O-SAS)、脳の睡眠中枢の問題などによるものは中枢性睡眠時無呼吸症候群(C-SAS)と呼ばれます。また、睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな合併症をもたらします。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)