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科学
睡眠時無呼吸症候群による高血圧 大和田潔
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秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)
暑い季節がやってきて、だんだん寝苦しくなってきました。ゴザを敷いたり、最新素材のヒンヤリするシーツに変えたり工夫されている方も多いでしょう。扇風機で室内の空気を循環させることも有効です。
どんなに環境を整えても、寝ている間に睡眠が断絶してしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)という状態があります。昼間に眠気や意識低下を起こすだけでなく、さまざまな合併症の原因になることが知られています。
SASは血液中の酸素濃度が低下するため、例えば、脳梗塞などの脳血管障害や、心筋梗塞などの冠血管障害の原因になったり、最後の“一押し”をしたりすることが知られています。また、認知症のリスクファクターになるともいわれています。
あまり知られていないのは、糖尿病や高血圧を悪化させることです。SASが重度になればなるほど、糖尿病の合併率が高くなることが分かっています。糖尿病に直接関係する血糖値やインスリンと、夜間の睡眠がどのような関係があるのか、詳しいメカニズムの研究が進められています。
SASは、高血圧の原因にもなります。肥満度や食生活などが同じ状態であると仮定しても、睡眠時無呼吸症候群が悪化すればするほど、高血圧の合併頻度が高まります。SASそのものが、高血圧の引き金になるわけです。
血圧計で有名なオムロンヘルスケアと自治医科大学の研究チームが、睡眠時無呼吸に伴い血圧が異常上昇するタイプの人がいることを報告しました。昼間の血圧や睡眠中の血圧が正常であっても、睡眠時無呼吸発作の時に200mmHgを超える異常高血圧になっている人がいました。
スヤスヤ寝ているときには正常血圧なのに、ガッと呼吸が止まった瞬間から血圧が急上昇するわけです。心臓や脳、血管そのものに悪影響を及ぼすことが予想されます。
今では、睡眠時に装着するCPAPという機械も保健医療でレンタルすることができるようになりました。肥満を少しでも改善させて、睡眠時無呼吸症候群を予防しましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)